change 〜Another story 10〜

11. ページ11

.


バスを降りて歩く事3分


ガチャ…

「町田さんおはようございます」
「ん、おはよ〜」

職場に着くと、今年入社した新卒の子が既に出勤して鏡を拭いていた

私も荷物を置いて、カラー材やパーマ液の在庫チェックをする


私の通勤手段がバスに変わったのは2年前

店長「俺2店舗目作るんだわ！」

終礼でいきなりそんなことを言い出した店長に任されたこの店で、2年前から私は副店長として働いている


そしてこの店舗の店長は、

ユキト「おはよ〜」

ユキトだ。


「おはよう。今日遅いね」

ユキト「んー、昨日の夜りことすっげー喧嘩して寝坊した」

「ユキがテキトーだからでしょ」

ユキト「だって段取りとかよくわかんねぇもん」

「可哀想りこちゃん。しっかりしろよ新郎」

ユキトとりこちゃんは、半年前に入籍した


ユキトが結婚式場探しからプランナーとの打ち合わせ、衣装などをりこちゃんに任せっきりにしたせいで彼女の不満が爆発したらしい

そんなりこちゃんは、私たちが元いたあの店でスタイリストとして活躍している

ユキト「あ、これりこが町田さんに絶対渡してって」

「んー？」

ユキトから受け取ったそれは、結婚式の招待状

ユキト「絶対っ！渡してね！！絶対絶対来て欲しいから！！って言ってた」

「似てんねモノマネ」

ユキト「7年くらい一緒にいますから〜」

「…そんなになるんだね」

ユキト「そうだな」

皆前に進んでる…
私だけが、取り残された感覚だった


.

12.→←10.

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す