change 〜Another story 10〜

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幸せな空間は、そう長くは続かない
あっという間に終わりを迎える

ドレス姿で今日来てくれた人達を見送った

慎「後で写真送りますね〜」

翔平「樹明日寝坊すんなよ！」

『お前がな』

いつもより笑顔が多い気がする樹も、楽しかったんだと思う


「マース、良い子にしてるかな」

『もう寝てんじゃないかな』

「そっか。早く帰ってあげなきゃね」

『うん。帰ろっか』

皆が帰っていくロビー
周りに人がいなくなってから、隣に立つ樹が私の手を握った


「樹、誕生日おめでとう」

『ありがとう。今日1日が素敵なプレゼントだった』

「私も幸せな1日だった。ありがとう」

『多分メンバー俺の誕生日ってことは忘れてる』

樹がそう言ってクスクス笑う
ちょっとだけ寂しさを含んだ笑顔に、

「そんな事ないよ」

そう返せば、

『じゃあ明日誰も覚えてなかったら泣こうかな』

悪戯に樹が笑った


『抱きしめていい？』

「うん…いーよ」

ドレスの上から樹に包まれる

私も応えるように彼の背中に腕を回した


はぁっと短いため息をついた樹は、

『大好きだよ』

耳元でそう呟く

だから私も、

「うん…私も大好き」

こぼれ落ちそうな想いを全部乗せてそう伝えた


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