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41原稿用紙の束 ページ42

「………居ねェのかよ」

その日、江口は古書倉庫に来なかった。登校はしているらしく、いつもの机の上に原稿用紙が乗っている。

それは、江口がこれまでに書いた全ての空見 流に関する話だった。


〈屋上は僕のオンステージだった。ここに居れば僕は1人で主役だった。…A流に言うなら、僕は主人公になりたかったんだ。でも、家ではセイが主役だった。僕の話なんて…誰も聞いちゃいない。〉

〈褒められもしない賞状が、盾が、一体何の役に立つ?捨てたって一緒だろう?どうせ見もしない、あったってしょうがないのに。〉

〈どうせ僕の話なんて聞かない癖に!!〉

〈手首を切っても、泣いても、消えても気付いて貰えなかった!!じゃあ僕はどうすればいい?道化ればいいのか?異常であれば見てくれるのか!!?あの目は、2人分の二対の目は!!僕を見てくれるのか!!??〉

〈何の役にも立たない、あんな空なんか!!溜まった写真が、僕の無能さを証明する!!
あんなもの……意味も、価値も無い!!〉

〈死んで終え死んで終え死んで終え死んで終え!!!僕なんて、死んで終え!!!〉


〈欲張りがいけないんだ、友人を得られただけで満足すべきだったんだ。

でも………出来なかった。
だって、欲しかったんだ。

褒めてくれる目が、声が。

自分を肯定してくれる誰かが欲しかった。

それは何より、これまでの人生まるまる一生分の付き合いの、きっと自分の事を誰よりわかっている筈の、【親】であって欲しかったんだ。〉



書き殴るような文章が続いた。続いて、続いてーーー最後の1ページ。書かれていたのは第三者目線の話だった。

42第三者目線の話→←40紙



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悠誠(プロフ) - コメント下さると嬉しいです!リクエスト等ありましたらお申し付け下さるととっても喜びます!! (2016年10月4日 15時) (レス) id: d7a17771ca (このIDを非表示/違反報告)
悠誠(プロフ) - 再開します! (2016年8月16日 16時) (レス) id: d7a17771ca (このIDを非表示/違反報告)
悠誠(プロフ) - なんか更新出来ました (2016年8月14日 8時) (レス) id: d7a17771ca (このIDを非表示/違反報告)
悠誠(プロフ) - 帰省の為Wi-Fiが繋げないので更新が16日まで出来ません。申し訳御座いません (2016年8月13日 8時) (レス) id: d7a17771ca (このIDを非表示/違反報告)
悠誠(プロフ) - 中原さんを軽率にオバケ苦手キャラにしてしまった……なんか体術が得意な人って物理攻撃効かない物(代表:幽霊)に苦手意識ある気がしませんか?国木田さんもそうですけど。(社長はその後光で幽霊さん浄化される。(確信)) (2016年8月8日 19時) (レス) id: d7a17771ca (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:悠誠 | 作成日時:2016年6月26日 19時

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