３７翌日の事 ページ38
翌日。江口は何事もなかったかの様に登校し、中原が図書室に着く頃にはいつもの様にこちらを見る事もなく原稿用紙を差し出した。
「遅かったな」
そう言って。
ーーそれだけ皆何か抱えているという事だ。……悩みのタネは似たり寄ったりだがな。ーー
持って帰った原稿用紙をいつも彼がやっている様に床に捨てようとした時、ふとその言葉を思い出す。
「これも、似たり寄ったりなのか。」
気づけば聞いていた。
あれだけの感情の濁流も、珍しい事ではないのかと。血を吐く様な叫び。疑問。要求も。此奴の目にはどう見えているんだろうか。１日に一人、文字通り全てが分かる此奴には、全てが戯言の様に見えているのだろうか。
答えは
「さぁな」
という突き放す様な言葉だった。
「知っているが答えられない。僕が君に言えるのは僕の力を使わずに得た情報だけだ。似たり寄ったりかどうかは君が僕の話を読んで、自分で決めろ。」
ところで、と江口はここで今日初めて中原を見る。江口の手の中に先程まで差し出していた原稿用紙は無かった。
「未完成だったのか？」
「……気が変わった。帰りに渡す。それと、今日の
酷い気の変わり様だ。腹回りでも気にしているのだろうか。……口に出すのは止めておこう。中原は思った。ところで、と江口はもう一度言う。
「一つ、君に聞きたい。今度書く話に関わる事だ。資料として様々な意見が欲しい。」
「もしも一つだけ願いが何でも叶うとしたら、
何を願うか？」
「おう。
「ああ、昨日誕生日だったからか。あのクラスお祭り好きがいっぱい居るからね……Aからしたら災難だろうな」
「むしろ災害だっつってた。」
中原は屋上にいた。フェンスに寄りかかって、貯水槽の隣でカメラのレンズを磨くナガルに問う。
「手前は何を願うんだ？」
それは自分に対しての問いでもあった。
自分は何を願うのか？
双黒の復活？あれは最高のコンビだったが相棒と呼ぶ相手が最低だった。
酒と煙草？今は恋しいが折角『何でも』叶うならもっとこう……非現実的な事が
「自分が死んだ後の世界を見る事かな」
突然、それは中原の思考を遮った。
３８七不思議の噂には続きがある→←３６空見 流と書かれていた原稿用紙の最後の１ページに書かれていた内容
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悠誠(プロフ) - コメント下さると嬉しいです！リクエスト等ありましたらお申し付け下さるととっても喜びます！！ (2016年10月4日 15時) (
レス) id: d7a17771ca (このIDを非表示/違反報告)
悠誠(プロフ) - 再開します！ (2016年8月16日 16時) (レス) id: d7a17771ca (このIDを非表示/違反報告)
悠誠(プロフ) - なんか更新出来ました (2016年8月14日 8時) (レス) id: d7a17771ca (このIDを非表示/違反報告)
悠誠(プロフ) - 帰省の為Wi-Fiが繋げないので更新が１６日まで出来ません。申し訳御座いません (2016年8月13日 8時) (レス) id: d7a17771ca (このIDを非表示/違反報告)
悠誠(プロフ) - 中原さんを軽率にオバケ苦手キャラにしてしまった……なんか体術が得意な人って物理攻撃効かない物（代表:幽霊）に苦手意識ある気がしませんか？国木田さんもそうですけど。（社長はその後光で幽霊さん浄化される。（確信）） (2016年8月8日 19時) (レス) id: d7a17771ca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：悠誠 | 作成日時：2016年6月26日 19時
