２７七不思議 ページ28
「手前の異能で真否は確かめられねェのか」
「……出来なくも無いだろうがその為には僕が実際に七不思議のどれかを見て小説を一本書き、君はそれを読み解かなければならないな。」
「………」
「大丈夫か？」
どう声をかけても
「五つ。図書室の奥、もう使われていない古書倉庫からカリカリと万年筆で何かを書く音がする。きっとあれは文芸部の霊である。」
「手前じゃねぇか！！」
怒鳴りながらも何処かホッとした様な表情の中原、一方の江口は意味あり気な笑みを浮かべた。
「六つ」
「まだあんのか！？」
「七不思議だからな。
……これは夜には限らない…むしろ昼の話だ。」
その前置きに、中原が目を見開く。
「校庭、または学校周辺の道に時折五千円札が落ちているらしい。その時、絶対に風上を見てはならない。必ず風上にはウチの高校の屋上があり、そこに立つ人影と目が合うと呪われるんだそうだ。」
「おい、屋上ってーーーー」
「嗚呼、ミィが居る場所だ。」
ガタリ、中原が立ち上がった拍子に椅子が鳴る。まるっきり他人事として眺める江口を尻目に、彼は取り憑かれた様に扉へ向かった。
「おや何処へ行く。」
「屋上」
「何をしに。」
「言ったろうが、そのナナフシギの真否を確かめに行く。今の時間ならナガルが居る筈だ。彼奴に聞く。」
「行ってらっしゃい。」
バタン、と倉庫特有の扉が閉まる音がして、部屋には静寂が戻る。誰もいない空間に、独り言。
「『７つ目を知った者はあちらの世界に連れ込まれる』事を言い忘れたが……まぁ問題は無いか。
片隅に唯一きちんと置かれた机と椅子に向かって、江口は微笑んだ。
「……現役文芸部員にしか見えないと言う霊……貴方ですね？僕を文芸部と認めて下さった事、純粋に嬉しい。有難う御座います。此れからも、この空間を共有する者として、どうぞ宜しく。」
江口が会釈すると、椅子は音を立てぬまま僅かに此方を向き軽く軋んだ音を立て、また音を立てずに元の位置に戻った。
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悠誠(プロフ) - コメント下さると嬉しいです！リクエスト等ありましたらお申し付け下さるととっても喜びます！！ (2016年10月4日 15時) (
レス) id: d7a17771ca (このIDを非表示/違反報告)
悠誠(プロフ) - 再開します！ (2016年8月16日 16時) (レス) id: d7a17771ca (このIDを非表示/違反報告)
悠誠(プロフ) - なんか更新出来ました (2016年8月14日 8時) (レス) id: d7a17771ca (このIDを非表示/違反報告)
悠誠(プロフ) - 帰省の為Wi-Fiが繋げないので更新が１６日まで出来ません。申し訳御座いません (2016年8月13日 8時) (レス) id: d7a17771ca (このIDを非表示/違反報告)
悠誠(プロフ) - 中原さんを軽率にオバケ苦手キャラにしてしまった……なんか体術が得意な人って物理攻撃効かない物（代表:幽霊）に苦手意識ある気がしませんか？国木田さんもそうですけど。（社長はその後光で幽霊さん浄化される。（確信）） (2016年8月8日 19時) (レス) id: d7a17771ca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：悠誠 | 作成日時：2016年6月26日 19時
