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23「お察しだろうが」 ページ24

駅前のキャラメルホイップバニラクレープとラムレーズンチョコレートクレープ、と前置きして指を拘束されたままの江口は語り始めた。此れから話す事も、自分の今の状態も総じてなんて事無い、と言いたげに。

「まず、そろそろお察しだろうが僕は異能者だ。」

「情報関係か。」

「当然。能力名は『小説書入門(しょうせつがきにゅうもん)』。何時も使っているのは【設定制作虎の巻】だ。1日につき一人、選んだ物質についての全ての情報がリスト化されて見える。
例えば中原中也、君に異能を使った時を例に挙げるとすれば、本名、偽名、年齢、発言、噂、好きな物、嫌いな物、現在の任務から出生体重まで。大量の情報が書かれた2メートル程の羊皮紙を額にくっつけている様に僕には見えていた。」

「顔は見えてんのか?」

「捲れば見えるさ。しかし初対面またはあまり仲良くした覚えの無い人間の文字通り目の前で、のれんをくぐる様な動きをする程の勇気は無いのでね。何にせよ1日だけだし。」

直ぐに想像できる代物では無かった。顔面に紙の時点で現実離れ、と言うより和製ファンタジーの香りがする。

「矢鱈良い声質のぶたねこと妖怪ホイホイの学ラン高校生のアニメで出てくる奴の紙を長くしたみたいなもんか?」

「………アニメは余り見ないんだ。」

「そうか。なら良い。」

5期がそろそろ始まるんだ、と呟いた中原に、江口は少々退屈そうな表情を見せた。今はその話では無い、らしい。目は口ほどに物を言う。

「ちなみに僕の力で不便な所は異能で調べた事を小説でしか残せないという点だ。読み上げるのは当然駄目だし、メモ書きもアウト。手話と点字は試した事が無いが、僕自身使いこなせる自身が無いのでアウト。
故にこの力を他人が活用しようとするなら、僕の小説を読み解く力、詰まり読解力、そして比喩表現を正確に理解する語彙能力が必要となる。」

主人公を指定した所で進歩が無いのは言わずもがなだな、と江口は笑った。

24WhyにはBecauseで答えませう→←22ヒントと擬物化



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悠誠(プロフ) - コメント下さると嬉しいです!リクエスト等ありましたらお申し付け下さるととっても喜びます!! (2016年10月4日 15時) (レス) id: d7a17771ca (このIDを非表示/違反報告)
悠誠(プロフ) - 再開します! (2016年8月16日 16時) (レス) id: d7a17771ca (このIDを非表示/違反報告)
悠誠(プロフ) - なんか更新出来ました (2016年8月14日 8時) (レス) id: d7a17771ca (このIDを非表示/違反報告)
悠誠(プロフ) - 帰省の為Wi-Fiが繋げないので更新が16日まで出来ません。申し訳御座いません (2016年8月13日 8時) (レス) id: d7a17771ca (このIDを非表示/違反報告)
悠誠(プロフ) - 中原さんを軽率にオバケ苦手キャラにしてしまった……なんか体術が得意な人って物理攻撃効かない物(代表:幽霊)に苦手意識ある気がしませんか?国木田さんもそうですけど。(社長はその後光で幽霊さん浄化される。(確信)) (2016年8月8日 19時) (レス) id: d7a17771ca (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:悠誠 | 作成日時:2016年6月26日 19時

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