14丸帽 一高 ページ15
足場を踏み外さないようにかつ素早く梯子を登る中原は、鼠のようだな、と呟いた江口を一睨みして手に付いた錆を軽く払った。
梯子は両手足が塞がっちまうし、背中が完全に無防備だ。次任務で出くわしたら使わねェようにしなきゃな。
日常的に背後から襲って来る者が居ない、平和な生活だからこそ落ち着いて分析できる事もある。案外この環境もマイナスにはならない、と中原は数日前から最初の考えを改めていた。江口が中原を追い抜き、人影に話しかける。
「カメラは大丈夫か?」
「自分で投げといてよく言うね。」
貯水槽にもたれてカメラの動作確認をしている男子生徒。中原は彼に見覚えがあった。
『雲、逃げたら君のせい。』
「……あの馬鹿か。」
「A、あれは?」
あれ、が自分を指しているのはわかっていたが、今はまだ二人の会話だ。中原は口を出さなかっ
「嗚呼、丸帽だ。様々な型があるが……あれは一高型だな。」
…口は出さない。例え学生帽が俺の本体扱いされていても。会話は情報の流し合いだ、不用意に加わるものじゃない。
「…ふぅん」
納得しやがった!?
「タイマー設定上手くいってたよ。」
そして次の話題へ!!おいツッコミ居ねぇのかこの空間!!?
「ついでに連写もしておけば良かったか?」
「勘弁して、電池の減りが激しくなる」
「わかった。まぁ兎に角撮れてたんだな?」
「うん、しっかり。
ーーーー丸帽 一高 さんの阿呆面」
「中原だ!!」
……無理だった。
41人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
悠誠(プロフ) - コメント下さると嬉しいです!リクエスト等ありましたらお申し付け下さるととっても喜びます!! (2016年10月4日 15時) (レス) id: d7a17771ca (このIDを非表示/違反報告)
悠誠(プロフ) - 再開します! (2016年8月16日 16時) (レス) id: d7a17771ca (このIDを非表示/違反報告)
悠誠(プロフ) - なんか更新出来ました (2016年8月14日 8時) (レス) id: d7a17771ca (このIDを非表示/違反報告)
悠誠(プロフ) - 帰省の為Wi-Fiが繋げないので更新が16日まで出来ません。申し訳御座いません (2016年8月13日 8時) (レス) id: d7a17771ca (このIDを非表示/違反報告)
悠誠(プロフ) - 中原さんを軽率にオバケ苦手キャラにしてしまった……なんか体術が得意な人って物理攻撃効かない物(代表:幽霊)に苦手意識ある気がしませんか?国木田さんもそうですけど。(社長はその後光で幽霊さん浄化される。(確信)) (2016年8月8日 19時) (レス) id: d7a17771ca (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:悠誠 | 作成日時:2016年6月26日 19時