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11クリーム餡蜜 ページ12

「本人だ。」



曰く。現実にいる同輩(キャラクター)が思っている事を文章化した物らしい。だから、野球部の男子ーーー田口は本当にクラスメイトの如月に恋愛感情を抱いているし、佐久間は休み時間某有名ゲームを弄っている。

行動や思考、妄想に状況説明を加えた結果だ。

彼は軽くそう言った。
まるで普通は行動や思考、ましてや他人の妄想なんて分かる筈が無い事を知らない様な軽さだった。


………待てよ。
此奴……かなり使えるんじゃないか?


今回の様に、怪しいと思った奴を予備知識皆無で尾行するのは手間がかかる上に時間の無駄だ。しかもそれだけの労力を費やして外した時の徒労感を考えるとやる気すら失せる。

しかし。

江口が居ればどうなるか。情報源(ソース)こそ教えてくれなかったが、思考や行動パターンがわかるので予備知識皆無という状況が訪れない。そもそも彼の話を読んだだけで其奴がクスリの使用者かどうか分かるかもしれないのだ。

「この……主人公を選ばせてくれねェか?」

「断る。」

即答だった。

「ここに在る原稿用紙、今度の朝会で壇上からばら撒くぞ。」

「読者を増やしてくれるのか?有難い事だな。」

「〜ッ、全部破く!!」

「ご自由にどうぞゴミ箱は其処だ。」

圧倒的な中原の知る江口の情報の無さ、そして江口の自分の作品に対する熱意の欠如の所為で脅しはギャグに姿を変える。何時もなら愛用のナイフで其のよく回る舌を切り取ってやるところだが、生憎『世の男子高校生は手入れの行き届いたジャックナイフなど持っていない』という事で今は帽子と一緒に自宅のデスクの上だ。

最終的に。

「………手前、甘党か辛党、何方(どっち)だ。」

「甘味には目が無い。」

あゝ三國屋のクリーム餡蜜、と恨めしい程の笑顔。

「………奢ってやる」

「緑茶セットでトッピングは小豆と桜桃(さくらんぼ)か、想像だけで1本書けるな。」

少々お高めの茶屋を指定する辺り抜け目が無い。
交渉成立だ、と二人は握手を交わした。

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悠誠(プロフ) - コメント下さると嬉しいです!リクエスト等ありましたらお申し付け下さるととっても喜びます!! (2016年10月4日 15時) (レス) id: d7a17771ca (このIDを非表示/違反報告)
悠誠(プロフ) - 再開します! (2016年8月16日 16時) (レス) id: d7a17771ca (このIDを非表示/違反報告)
悠誠(プロフ) - なんか更新出来ました (2016年8月14日 8時) (レス) id: d7a17771ca (このIDを非表示/違反報告)
悠誠(プロフ) - 帰省の為Wi-Fiが繋げないので更新が16日まで出来ません。申し訳御座いません (2016年8月13日 8時) (レス) id: d7a17771ca (このIDを非表示/違反報告)
悠誠(プロフ) - 中原さんを軽率にオバケ苦手キャラにしてしまった……なんか体術が得意な人って物理攻撃効かない物(代表:幽霊)に苦手意識ある気がしませんか?国木田さんもそうですけど。(社長はその後光で幽霊さん浄化される。(確信)) (2016年8月8日 19時) (レス) id: d7a17771ca (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:悠誠 | 作成日時:2016年6月26日 19時

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