10打ち捨てられた ページ11
「おい、落としたぜ。」
「知ってる。ほっとけ」
拾うつもりは無いらしい。少々の興味を持って、足元の紙を踏まない様に除けながら中原は今江口が捨てた原稿用紙を拾い上げた。
{2−D 佐久間 信英
シエロ
こいつでいいか。
有名キャラクターを丸っこくデフォルメした物をタップし、スタートを押す。
制限時間内に3つ以上の同じデフォルメキャラをたくさん繋げて得点を稼ぐ単純作業を、僕は10分前……昼休みが始まってからずっと続けていた。別に楽しい訳ではないし、このゲームが好きという訳でも、かといって嫌いという訳でもない。むしろ指紋が削れるのでやらない方がいい事を自覚している。しかし、僕はまたスタートを押した。理由は簡単、暇だから。
喋れるクラスメイトはいるが自分から話しかけに行く程の話題も無いし、食堂に行かずとも僕は弁当派だ。やらなければならない事が無い訳では無いが、早急に取り掛からねばならない訳でも無い。
loadingと表示された画面を意味も無く指先で叩きながら、今後の予定について少し思考を巡らせた。
化学の課題は終わらせた、国語は3分あればいける……あとは
軽快な音楽がイヤホンから流れ出す。ゲームが始まったようだ。僕は指を画面に滑らせた。}
「……サクマ……?」
「同クラスだろう……あゝ、『ナカヨシコヨシする気は毛頭無い』なら覚えていないのは当然だな。よく他クラスの僕の名を覚えられた物だ。」
中原は他の原稿用紙を次々に拾い、読んだ。全体の5割がシリアス、ハッピー3割ファンタジー2割。ファンタジー以外は全て学校が舞台で、登場人物はどれもこれも見た事のある名前ばかりだった。
「モデルにしてんのか?」
男女問わず身長体重使っているシャープペンシルの銘柄から生活パターンまで。細部までしっかりと作られた設定。同姓同名とはいえ、ここまで創作されたら流石にモデルの奴らが嫌がるのでは無いかと聞いてみたのだが。
「違う。」
真逆の否。
そして、なんて事なさそうな語調で彼は云った。
「
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悠誠(プロフ) - コメント下さると嬉しいです!リクエスト等ありましたらお申し付け下さるととっても喜びます!! (2016年10月4日 15時) (レス) id: d7a17771ca (このIDを非表示/違反報告)
悠誠(プロフ) - 再開します! (2016年8月16日 16時) (レス) id: d7a17771ca (このIDを非表示/違反報告)
悠誠(プロフ) - なんか更新出来ました (2016年8月14日 8時) (レス) id: d7a17771ca (このIDを非表示/違反報告)
悠誠(プロフ) - 帰省の為Wi-Fiが繋げないので更新が16日まで出来ません。申し訳御座いません (2016年8月13日 8時) (レス) id: d7a17771ca (このIDを非表示/違反報告)
悠誠(プロフ) - 中原さんを軽率にオバケ苦手キャラにしてしまった……なんか体術が得意な人って物理攻撃効かない物(代表:幽霊)に苦手意識ある気がしませんか?国木田さんもそうですけど。(社長はその後光で幽霊さん浄化される。(確信)) (2016年8月8日 19時) (レス) id: d7a17771ca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:悠誠 | 作成日時:2016年6月26日 19時