1事の発端 ページ2
中原京雅、もとい中原中也は主人公席に態度悪く座り、簡潔に言えば苛ついていた。
ー何で俺がこんな餓鬼共と机並べてオベンキョーなんざ……ー
事の発端はポート・マフィアが首領、森鷗外の一言である。
『中原君は学生でもまだ通りそうだねぇ』
『はぁ』
それは身長が19歳男性の平均に達していないと暗に言われた様な物だったが、言われた相手が上司という事もあり彼は青筋を意地で収めた。ちなみに今の発言は鷗外の溺愛している幼子、エリスのサイズに合わせ特注で作らせたセーラー服を見ながらの発言である。曖昧な返事をするしか無い。
『という事で、□□高校に潜入だ!』
『どういう事ですか!!』
ツッコミは収めきれなかった。
□□高校。その名前に彼は聞き覚えがあった。最近麻薬系のクスリが出回っているという噂のある場所だ。
ポート・マフィアは非合法組織とはいえ自治がある。ただ武力で事を収め、街の治安を悪くしたいならここはお門違い。非合法にも理性は不可欠なのだ。
その理性を失わせる物の代表、それが麻薬。
確かに麻薬は稼ぎが大きい。しかしデメリットやリスクはそれ以上。そんな負けの決まった商売をする程ポート・マフィアは馬鹿では無い。
中原は眉を顰める。鷗外が彼の方を見て微笑み、その瞳に冷酷な光を宿した。
『あそこの噂については君の耳にも入っているだろう。君には□□高校に転入生として潜入し、麻薬に関わる者を
いいね?
その問いに許される答えは一択だ。
『承知しました』
中原中也は帽子を被り直した。
「嗚呼、帽子と煙草と酒が恋しい……」
不摂生にも程がある未成年の呟きを聞く者は居ない。もうじき始まる昼休み、中原はそれまで寝ようと目を閉じた。
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悠誠(プロフ) - コメント下さると嬉しいです!リクエスト等ありましたらお申し付け下さるととっても喜びます!! (2016年10月4日 15時) (レス) id: d7a17771ca (このIDを非表示/違反報告)
悠誠(プロフ) - 再開します! (2016年8月16日 16時) (レス) id: d7a17771ca (このIDを非表示/違反報告)
悠誠(プロフ) - なんか更新出来ました (2016年8月14日 8時) (レス) id: d7a17771ca (このIDを非表示/違反報告)
悠誠(プロフ) - 帰省の為Wi-Fiが繋げないので更新が16日まで出来ません。申し訳御座いません (2016年8月13日 8時) (レス) id: d7a17771ca (このIDを非表示/違反報告)
悠誠(プロフ) - 中原さんを軽率にオバケ苦手キャラにしてしまった……なんか体術が得意な人って物理攻撃効かない物(代表:幽霊)に苦手意識ある気がしませんか?国木田さんもそうですけど。(社長はその後光で幽霊さん浄化される。(確信)) (2016年8月8日 19時) (レス) id: d7a17771ca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:悠誠 | 作成日時:2016年6月26日 19時