君が頑張った証

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有岡side


俺が持ってきたキーボードをベッドの上の机に置き、弾き始める


『♪ ため息ついてふと覗いた窓に〜』



少し切なくて悲しいメロディーに

いのちゃんらしい歌詞が続く


『♪誰かが言う現実より

自分なりの理想目指すよ


たとえ笑われたって

いつでも僕らは新しい自分を探そう』



ひとつひとつの歌詞が胸に突き刺さって


曲が終わる頃には俺の目は涙でいっぱいだった



『え、ちょっと、大ちゃん？

どうしたの？大丈夫？』


有岡「ごめん

違うの

なんかすごい感動した」


そこで、あの話題を取り出す


「あのさ、新曲のカップリングの話なんだけど


実は俺といのちゃん、一緒のグループになったんだよね」


今回、いくつかのグループに別れて
それぞれがメインの曲を作る



有岡「これでいこうよ」


絶対上手くいく気がする



『え、でも…そんなことできるの？』



有岡「大丈夫大丈夫！

やぶひかも何か自分たちでするみたいだし


この曲、なんていう題名なの？」



『まだ、考えてないよ


あ！じゃあさ、大ちゃんが考えてよ』



いのちゃんが思いついたような笑顔で言う



有岡「えー…まじで？


んー…まあ季節的に秋とか入れたいよね」



『秋晴れ的な？』



「お、風が吹くとかどうよ」



『あーじゃあさ、なんか文章にする？


《秋、風が吹いた》的なさ』



有岡「いいじゃんいいじゃん！

《秋、晴れ。僕に風が吹いた。》


どうどうどう？

めっちゃおもしろい！



なんか切ないなー笑


最初に台詞とかもいれちゃう？」



『台詞？！


んー歌詞が前をむこう的な感じだからねー』



有岡「僕の目の前に、みたいな笑」



『切ない感じでしょ？


《僕には何も無いって、ずっと思ってた》

みたいな？笑』



有岡「いいじゃんいいじゃん！

それでいこ！」


話し合いは順調に進んで


歌詞も少し付け足したりして

午前中に来たのに
気づけば夕方になっていた



また明日からコンサートだから
そろそろ帰らなくてはいけない



有岡「じゃあ、企画書出してみるね！」




早く元気になって仕事しようね



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