ウチの愛され白米王子は体が弱いようで…

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伊野尾side







カメラマン「伊野尾くんもっと笑って〜」



早速俺にダメ出しが来る






笑顔にしているつもり




だけどどうしても照明やカメラのフラッシュがきつくて



立っているのすらままならない





が、こんなところで折れる俺じゃない






今日の仕事はあと、この雑誌の撮影だけ



久しぶりに日付をこさずに帰れる






早く、とりあえず早く帰りたい







けど時間が経つにつれ


体が火照ってふらふらしているのがわかる





岡本「いのちゃんなんか大丈夫？」




俺の後で立っている圭人にそう言われる




『は？なになに？笑


いきなり大丈夫とか言うから焦るわ〜笑』



圭人…バカっ



周りにみんないるから！



俺必死に隠してるんだから！



いつもなら嬉しい圭人の優しさも今は苦でしかない




さっき少し叫んだせいか


急に息が上がるのがわかった



自分で体を支えられない




やっとの思いで撮影を終え楽屋へ急ぐ





とりあえず、とりあえず帰りたい





みんなが後ろから何か言ってたけどかまわずに

楽屋に急いで自分の荷物を片付ける






マネージャーに送ってもらったらしんどいことみんなにバレる




かと言って今日は自分の車で来てない

まずこの状況で運転なんて無理




いい。タクシー捕まえて帰る





体は今にも倒れそうなくらい辛いのに

いつだって頭だけはよく回る







楽屋から出ようとした瞬間



扉のむこうからみんなが帰ってきて


そして


山田「いのちゃん、ちょっとそこ座って？」




山田につかまってしまった




今日の撮影集中してなかったこと怒られるんだろうな



山田には悪いけど今はお説教聞く余裕が無い





『山田…ごめん…俺が悪かった


今度いくらでも怒っていいからっ…


今日は急いでt』




山田「そうだね、なんで言わなかったの？」




『えっ…


何が…？』





山田「しんどかったのなんで言わなかったのって聞いてるの」





予想していた言葉と全然違って


思考が停止する




『やま…だ


今日の撮影集中してなかったことに

怒ってるんじゃないの…？』




山田「は？そんな事よりも

ちゃんと体調悪いこと言ってくれなかったことに怒ってるの


見たらわかるでしょ？



なんで俺らに隠して無理してたの？」




いつもよりもきつい山田の言葉に



本気で怒ってる事を思い知らされる




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