【月刊少女野崎くん】世界は一度に動き出す。【番外編集】 (ページ33)

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新キャラ登場大作戦！・5 ページ33

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「今日は若のとこ行こうと思ってるしなあ……」

「あ、またバスケ部行くんだ……」

「『鈴木親衛隊』」

「鈴木くんが行きたいって言ってたから、先にリサーチしておかないとね！そうやって万全の準備をして鈴木くんを誘うんだ――ってこらぁ!!」

思わずノっちゃったけど！こら野崎っ!!

「調子に乗らない！」

「いやすまん……忘れてくれ」

「野崎くん……」

と、千代ちゃんが私を見てキラキラと顔を輝かせる。え、なに、惚れちゃった？

「すごいよAちゃん！演劇部に入れそうなくらい」

「今のなんだったんだよ」

「しかし小田原、お前……すごいな」

惚れられてなくとも褒められるのは悪くない。結月だけは怪訝そうだけど、私はふふんと鼻を鳴らした。

「まあね、伊達に何年も属性別に女の子の分析してないから……」

言ってて悲しくなってきた。野崎のためだったのに……あんな……午前中まるまる無駄にして……。

「もう何もしたくないっ！あんたのせいよ、あんたの!!」

「ヤンデレか……俺の漫画には少し重すぎる気がするがな……」

「いや、多分違うと思うよ野崎くん」

弁当箱をひっつかんで、教室から飛び出した私。

そんな会話が繰り広げられている、……なんてつゆ知らず。

「っていうか本当にいいのかな、Aちゃん。まだクッキー残ってるのに」

「ああなんか、午後体育なんだってさ」

「体育？ああ、選択だね。剣道とかならおしとやかさにギャップが出ていいかもね！」

「いや柔道」

「へ？」

「Aの選択、柔道」

「……おしとやかからはかけ離れてるな」

*

「へぇ、それであんなに不機嫌なのか」

「不機嫌じゃない！」

「いやどう見たって不機嫌だろ」

「小田原、インクが掠れた」

「あいよ!!」

野崎から原稿を受け取った――正しくはぶんどった――私を、御子柴が呆れた目で見ているのがわかる。

柔道で相手をいくら投げ飛ばしてもスッキリしないこの気持ち。千代ちゃんならなぐさめてくれたのかもしれないけど、あいにく今は都先生に呼ばれたとかで不在だ。

あらかたの経緯を野崎から聞いた御子柴は、「でもなあ」と釈然としない様子。……どうして？

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