【月刊少女野崎くん】世界は一度に動き出す。【番外編集】 (ページ20)

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シンデレラ・2 ページ20

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そして一人家に残されたAですが、何やら布団の準備をしています。

「はー、やっと一人になれた！これでようやく掃除の時に見つけた64巻が読めてー、あとはこっそり録り溜めたアニメも見なきゃ！はー忙しー」

鼻歌を歌いながらせっせとオタ活の準備をしていたA。そこに、魔法使いに扮した王子の側近が現れます。

側近・魔法使い(野崎梅太郎)「どうも」

「……無理ない？」

「仕方ないだろう、役者が足りなかったんだ」

「あっそう……」

気を取り直して、魔法使いはAに言います。

「お城の舞踏会に行きたいのか、そうかそうか。そしてそこでうちの王子と一目で恋に落ちて……うん、それだと少し捻りが足りないな。そうだ恋に落ちるきっかけはこうしよう。恥ずかしがり屋の王子に自信がつくようなことをそっと言ってあげて――」

「ストーーーーップ!! 漫画の構想を立てるな!! 原作を崩すな!!」

「で、結局どうなんだ」

「いや舞踏会とか興味ないです」

「それだと困る」

そこから魔法使いの説得がはじまり、一時間後にようやくAは舞踏会に行く気になりました。

ちなみにエサはBlu-rayBOXです。

「よーし、じゃあ魔法をかけてよ！こうシャララーとドレスを」

「いや、それなんだがただの側近だから魔法は使えないんだ」

「は？」

「代わりに作ったドレスがあるからこれを着てくれ」

「作った？何主婦？女子力？」

気持ち悪いくらいピッタリだったドレス。あとは演劇部提供のカボチャの馬車と馬術部の馬が用意されました。

そして靴です。Aは裸足でした。

「ちゃんと洗ってるから裸足でも良くない？」

「それだと話にならないだろう。ちょっと待ってろ……」

ゴソゴソとエセ魔法使いが取り出したのは、なんとガラスの靴でした。

「どうにか特注で作った。なあ、ひとつ気になるんだが聞いてもいいか？」

「はい、何」

「シンデレラの足に靴はピッタリだったのにどうして階段なんかで取れたんだ？そうなるならもっと余裕があったはずだろう」

「知るか」

やけに乗り心地の悪い馬車に乗って、Aは舞踏会に向かいました。

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