第３６号 雨の日の瀬尾さん 2 ページ43
〜若松side〜
小田原先輩は俺と瀬尾先輩を残し、駅とは反対方向に走って行ってしまった。
「何なんだ、あいつ？」
「…………」
瀬尾先輩も怪訝そうな顔で、小田原先輩が去った方角を見ている。その髪が濡れる。
「先輩、傘ないんですか？」
「え？ああ、うん。だからさっきまでAに入れてもらってたんだけどよぉ、あいつ急にどっかいっちまった」
「…………」
そのままにしておくわけにもいかないので、俺は先輩に傘を差し出す。
「駅まででいいなら、行きましょうか？」
「え？ああ、ありがとな」
そのまま――瀬尾先輩は俺から傘を奪い取って歩きだす。
「え、ちょ、瀬尾先輩!?」
「なんだよ」
「何って、俺を置いてどこに……」
「家」
「ちょっ、待ってください！」
慌てて瀬尾先輩のそばまで行く。
「んだよ、ついて来んのか？」
「当たり前じゃないですか、同じ駅ですよ⁈それになんで俺から傘を奪うんですか！」
「差し出されたから」
「あげますって意味じゃありません!!」
瀬尾先輩の、とんだ勘違いだ。いつもいつもこの人は。
「んじゃなんなんだよ」
「雨止んでないのに先輩が傘をさしてないからですよ！ていうかなんでそんなにびしょ濡れなんですか!?」
「Aの奴に入れてもらうまで、カバンでしのいでたから」
そういえば、瀬尾先輩のカバンはこれでもかというほどぐちゃぐちゃに濡れていた。
「まぁ、はい」
「え？」
先輩が、急に傘を差し出してきた。
「え？って、若が持てよ。ほらぁ、おまえも濡れてんじゃん」
「……先輩がずっと傘持ってたからですよ」
「べっつにいいじゃん」
言い訳もするだけ無駄だから、俺は素直に傘を受け取った。瀬尾先輩と並んで歩く。
「あーあ、本当にカバンびしゃびしゃだ」
「今日雨量凄いからですよ」
「ほら見ろよ若、教科書ぐちゃぐちゃだぜ!?ノートも！」
「明日からどうするんですか……」
瀬尾先輩がなぜ傘を持っていないのか、それだけがずっと気になった。
まぁ、いつもの通り勢いに押されて、聞くに聞けなかったのだけれど。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
＊ラッキーキャラクター＊
若松博隆
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スマトラ島のラフレシア - 月の猫さん» ええと、キャラ設定とは具体的にどういう物でしょうか？容姿とかプロフィールだとか、その辺を言って貰えると助かります！ (2015年6月22日 18時) (
レス) id: db820b405d (このIDを非表示/違反報告)
月の猫 - 夢主ちゃんのキャラ設定とかありますか？ (2015年6月21日 11時) (レス) id: c684b581de (このIDを非表示/違反報告)
スマトラ島のラフレシア - ☆RENA☆さん» もう全話大好きってことでいいですかね？(真顔)ハズレほとんどなくて凄いです (2015年4月30日 17時) (レス) id: db820b405d (このIDを非表示/違反報告)
☆RENA☆(プロフ) - スマトラ島のラフレシアさん» 最後好きなんやなwwwあたしはみこりんと鹿島くんが出てる話なら全部…！！！\(//∇//)\ (2015年4月29日 16時) (レス) id: 9387afb0ce (このIDを非表示/違反報告)
スマトラ島のラフレシア - ☆RENA☆さん» あれです！笑 大体最後の話って好きです。10も20も30も40もごじゅ(以下略 (2015年4月24日 19時) (レス) id: db820b405d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：スマトラ島のラフレシア | 作成日時：2014年9月30日 17時
