【学校の七不思議】天下無双冒険譚【企画小説】 (ページ8)

今日:3 hit、昨日:0 hit、合計:3,423 hit

#07【佐条院璃奈】ページ8

.

あんなに、楽しい時間だったのに、それをぶち壊した奴らが目の前にいる

吸ってた煙草なんて、もうとっくに火を消した。それに冷たい無表情

そのぐらい私はイラついている。仲間との時間を壊されてイラつかない人はいない
現に私の仲間達は機嫌が悪そう

「ねぇ、いったいどこまで歩くきぃ?俺もう疲れちゃったんだけどー。喧嘩ならここですればいいじゃん」

「うるせぇ!黙って着いてこい、着いたら充分に相手してやるからよぉ!ぎゃははははは!!」

あの人、絶対下っ端。調子のりすぎ
こっちが何もしてこないから、余裕でいる。それに五月蝿い

「お前、よく見ると可愛いなｧ……どうだ?そっちやめて、こっちに来ないか?」

さや先輩に話しかける。その汚い腕で、汚い口で話しかけるな

だからさや先輩は何も言わない、ざまｧみろ

「せんぱーい!こっちの女結構いいですよー!!というかここの女達全員上玉ですよー!!」

下っ端が私を指さして、私の仲間をジロジロと見て、他の奴らに言う

するとゾロゾロと私達を取り囲み、ジロジロと舐め回すように見る男達

「ほんとだ、上玉ばっかじゃねぇか」

「もったいねぇ、宝の持ち腐れじゃねぇか」

「なぁ、あんた、俺達のところに来ねぇか?」

さっきさや先輩に話しかけた奴が私に話しかける。無視、無視。それだけ

「つれないねぇ、流石“ 絶対零度の刃 ”、その名に相応しい」

無視
すると私の耳の近くであいつはそう言った

「今日は喧嘩だけの目的じゃねぇ、おめェの両親から連れ戻せって命令が入ってんだよ」

“ 両親 ”、その言葉をきいた瞬間、私は背筋が凍る
相手はニタリと笑って、この話はまたあとでな、と言って私の前から離れる

“ 両親 ”、つまり、母様と父様。まだ捜索してたんだ
元から期待もしてない癖に、私が離れた瞬間、連れ戻そうとする

今日のパーティーだって、昔から予定してた事だからわざわざ出ただけ。母様と父様からは離れてたし、すぐに抜け出した
出来損ないだとか言って、私に沢山辛い思いをさせてきた最低の両親

だけど1番ヤバイのは、仲間にバレる事。心配かけるし、私の問題だから迷惑かけたくない

迷惑?

もしかしてこの喧嘩って私のせい?私が巻き込んだ?
その瞬間顔から血の気が引く。私のせいで、私が逃げ出したせいで…今、こんな事に…??

ごめんなさい、ごめんなさい

だから、今日は、私が何とかします

そんな事を考えている時に、美海先輩に見られていたなんて、私は知らなかった