第212話・初めての好意 ページ24
「Aちゃん」
「ん？」
キャラバンに乗り込もうとしたAをアフロディが呼び止めた。
「どうしたの？」
「風丸くん、いないんだね…」
「…あー、そうだね…」
Aの様子に何かあったのだと察したアフロディ。追及はすることなく彼は続けた。
「僕はてっきり、彼はAちゃんの傍にいるのかと思っていたよ」
「アイツが…チームを離れる要因を作ったのは、私でもあるから…。もしかしたら…最初から一緒にいるのが…辛かったんじゃないかって、最近思い始めて…」
「Aちゃん……」
「っ…ごめんね、アフロディに言うことじゃなかったね」
「うんん、君の言葉が聞けて嬉しいよAちゃん。でも彼がいないのは僕にとってはちょっと好都合かもしれないね」
慈悲に溢れる微笑を浮かべるアフロディ。その口調や表情は決して風丸をバカにしたものではなくやや冗談めいたようにも捉えられた。
「何が？」
「君を守る騎士がいなくなったってことだろう？ 僕にもチャンスはあるかなって」
「チャンス？」
聞き返すAに痺れを切らしたのか、若干頬を赤く染め周囲に誰もいないか目配りしてから、ゆっくりと彼女に耳打ちをした。
「君へのアピールだよ。僕が君を好きなこと…知っているだろう？」
「………………へはぅ！？」
「へ？！」という驚きと「は？！」という呆れに似た感情が同時に出たA。
「ななななっ何を言っているんですか、貴方は！？？！？！？！！！」
「気づいて、いなかったのかい…？」
「い、いや……う、う〜ん……」
転生者であるAからしてみればアフロディは年下であり、アニメのキャラクターというフィルターがある。Aにとって『キャラクターとの恋』というものは、一歩線を引いて干渉しないのが『正しい』と考えだった。
だが同じ世界、同じ時代を生きているのならば、恋だ、愛だは当たり前に介在するものではあり、彼女が『キャラクターから好意を抱かれる』というのも間違えではないのが、気づいていたなどと、鈍い以前に自身がその対象になることを考えたことはなかったのだ。
以前、鬼道からも風丸がAに好意を示していることは言われていた。だがその好意は、異性の好意ではなく、友達以上恋愛未満の好意だと思っていたのだ。
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活字不足卍(プロフ) - 若いうちにやってみたいことの一つとして、バンジージャンプがある。でも咄嗟に腰が引きそうw (2022年6月9日 1時) (
レス) id: 63abfde266 (このIDを非表示/違反報告)
ゆりりん(プロフ) - 続きが読みたい!!(クソデカボイス) (2021年2月27日 15時) (レス) id: 9679665185 (このIDを非表示/違反報告)
田中優香(プロフ) - 楽しみ過ぎる(豪炎寺の復帰はアツいね) (2021年2月26日 1時) (レス) id: da5dc9d8d2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：活字不足卍 | 作成日時：2021年2月26日 0時
