第234話・憧憬と嫉妬 ページ46
タオルを肩にかけ汗を拭き、ドリンクを口に運んでいるとアフロディが話題を振ってきた。
「苦戦しているね」
「鬼道がね」
「？ 鬼道くんが？」
「まぁ…ね。アフロディも知ってるでしょ、あの人のこと」
「うん」
「鬼道は……私と帝国イレブン、
そしてあの人と繋げようとしているんだよ…余計なお世話だよね」
そう口では言っているが、満更でもない表情のAにアフロディの頬が緩んだ。
「帝国の鬼道をこんな近くで見れて…嬉しいんだよ私」
未だ帝国に向ける感情は憧憬と嫉妬が混じったもの。
それでもAは帝国学園が好きだった。
だからこそあの男が目指したサッカーをプレイする彼らが羨ましかった。
どうせならサッカーへの復讐のために利用してくれたって良かった。
━━━━顔が母似なのが悔やまれる。
男に生まれたのなら東吾への憎しみを向けて使い捨てられたかもしれない、
でも存在そのものを否定されるよりマシだ。
「Aちゃんは、鬼道くんのこと……」
「なに？」
「あっ……いや…」
聞こうとした言葉が喉に詰まり彼女から視線を逸らした。
2人の関係はFF決勝戦の際は、そこまで深そうに見えなかった。
アフロディも真・帝国学園のことは知っている。おそらくその時に、
鬼道との話したことで彼からの興味を引いてしまったのだろう、と。
友達や仲間とは少し違う2人の関係性に胸の奥がモヤモヤとするアフロディ。
「よし、後半だ。じゃあね」
「うん」
後半戦が始まった。雷門からのキックオフ。
ボールは塔子へ渡り洞面がボールを奪い鬼道へ回された。
「行くぞ！」
「「�爛妊好勝璽鶚瓠�」」
デスゾーンはやはり完成とはいかず、
立向居もぼーっとしていたのかボールを顔面に受けてしまった。
前半同様繰り返すがタイミングも息も合っているはずなのに、
上手くいかないデスゾーン。息も絶え絶えになってきた円堂、鬼道。Aは余裕がある。
「今のもダメかっ…」
「タイミングは合っているんだ…どうすればっ…！」
すると源田が鬼道へボールを集めるよう指示を出した。
「源田…」
「とことん付き合うぜ！」
「寺門…」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 313人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「イナズマイレブン」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
活字不足卍(プロフ) - 若いうちにやってみたいことの一つとして、バンジージャンプがある。でも咄嗟に腰が引きそうw (2022年6月9日 1時) (
レス) id: 63abfde266 (このIDを非表示/違反報告)
ゆりりん(プロフ) - 続きが読みたい!!(クソデカボイス) (2021年2月27日 15時) (レス) id: 9679665185 (このIDを非表示/違反報告)
田中優香(プロフ) - 楽しみ過ぎる(豪炎寺の復帰はアツいね) (2021年2月26日 1時) (レス) id: da5dc9d8d2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：活字不足卍 | 作成日時：2021年2月26日 0時
