第143話・キャプテンの試練 ページ3
翌日、瞳子の口から風丸がキャラバンを脱退しすでに東京に戻ったことを知らされた雷門イレブン。
「どうして止めなかったんですか！ ここまで一緒に戦ってきた仲間なんですよ！」
「サッカーへの意欲をなくした人を引き留めるつもりはないわ。私はエイリア学園を倒す為にこのチームの監督になったの。戦力にならなければ出て行ってもらって結構」
「ああそうだったな！ アンタは勝つためなら、どんなことでもするヤツだもんな！ 吹雪が二つの人格に悩んでいるのを知りながら、試合に使い続けるくらいな！」
「…練習を始めなさい」
土門の苛烈な文句に顔色一つ変えることなく去って行く瞳子。
「こんなんじゃ、練習できっこないッスよ…」
ここまで雰囲気の最悪の雷門イレブンは、今まで見たことがない。
多少のすれ違いがあっても、豪炎寺が、円堂が、鬼道が、風丸がその場の雰囲気を和らげてくれる頼もしい人物だった。
特に風丸は円堂の言葉を信じ、長い付き合いだからこそ笑い合っている時間が多かった。円堂は俯いて何も言うことはない。
そんな空気管の中、秋は風丸がチームに戻ることを信じている、と伝えると春奈も賛同した。
「始めるぞ、練習」
「でも……」
「俺たちがサッカーをするのは、監督のためじゃない。円堂がいつも言ってるだろ。サッカーが好きだからだ。サッカーを守る為にも、エイリア学園に勝たないとな」
鬼道の言葉に乗せられて雷門イレブンの面々は練習をするためにグラウンドへ向かう。
風丸の抜けたショックで足が練習へ向かない栗松を土門が肩を優しく叩いてグラウンドへ向かう。――そんな中、1人…円堂だけがその場から動かない。
円堂を見て秋が円堂へボールを差し出し名前を呼ぶ。だが円堂はボールを受け取ることはなく秋に押し返した。
「練習、できない…」
円堂の言葉にグラウンドへ向かっていた鬼道たちも振り返った。
「どういうこと…？」
「今の俺は、サッカーと真っ正面から向き合えない。ボールを蹴る資格がないんだ。――だから、それまでボールを預かっておいてくれ…」
円堂はトボトボと歩き出した。
その彼の背を誰も追うことはない。
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活字不足卍(プロフ) - 若者よ、歯磨きは大事だ。歯だけは、大切にしなさい。 (2022年6月9日 1時) (
レス) @page50 id: 63abfde266 (このIDを非表示/違反報告)
田中優香(プロフ) - 今後の展開に目が離せません(更新ありがとうございます！) (2021年2月25日 0時) (レス) id: da5dc9d8d2 (このIDを非表示/違反報告)
焔 - 更新ありがとうございます！！！すっっっっごく好きな作品なので嬉しいです！！！ (2021年2月25日 0時) (レス) id: 3ce071c9ce (このIDを非表示/違反報告)
ゆりりん(プロフ) - 更新したー!!めっちゃ楽しみしてました！ありがとうございます！続きも気長に待ってます！ (2021年2月24日 2時) (レス) id: 9679665185 (このIDを非表示/違反報告)
田中優香(プロフ) - 続きが気になる(いつでも更新待ってます！) (2020年12月31日 15時) (レス) id: da5dc9d8d2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：活字不足卍 | 作成日時：2019年10月11日 19時
