第087話・手の熱 ページ41
暗い廊下を影山の案内で進んでいく、鬼道、A、円堂。暗がりで足を取られたのかAが「あっ」と声を出し転びそうになったところへ鬼道が彼女の身体を支えたおかげでAは転ばずに済んだ。
「大丈夫か？」
「う、うん…」
「……俺から離れるな」
「！…な…え、う……うん…」
鬼道はヤケに強い手を握りAと共に歩んでいく。
(あ、あれ…鬼道ってこんなにかっこよかったっけ？)
前世から真も含め帝国学園は好きだったA。無論、鬼道のことは頼りがいのある人物であることをこの世界に転生してからよく分かっていた。今回の鬼道は、どこか怯えているようにも思え、それを拭おうと手を握っているように思えたAは、熱が伝わるように鬼道の手を握り返した。
しばらく歩くとまぶしい光が見えた。そこはグラウンドだった。真ん中に立ち止まった影山が鬼道を呼んだ。
「鬼道。自分の愚かさを悔い、再び私の足元に跪いた仲間を紹介しよう！」
そうして視線を上げると柱に源田と佐久間が立っていた。
「源田に、佐久間？！」
2人は柱から飛び降りて鬼道の話をかけた。どこか前とは違う雰囲気を纏う二人。
「久しぶりだな、鬼道」
「感動の再会ってやつだね〜」
「では元チームメイト同士。仲良く話したまえ。また後で会おう」
「ま…待ってっ！」
「何故だ…」
「！ 鬼道…」
影山を追おうとしたAの耳に入って来たのは鬼道の悲痛な叫びだった。足を止めたAは鬼道を見つめる。
「何故だ！！ 何故お前たちがアイツに従う！！」
「強さだよ」
「強さ？ 強さだけを求めた結果が、あの影山のチームじゃなかったのかよ！」
「俺たちはそこから新たな一歩を踏み出したはずだろう！」
「フン」
「俺たちを見捨てて雷門に行ったお前に何が分かる？」
「ッ！ 違う！ お前たちを見捨てたわけじゃない！ 俺は自分が許せなかった…チームメイトを助けられなかった自分が…！ だから！」
悲痛に歪む鬼道の顔に源田が「綺麗ごとを言うな！」と撥ねつけた。
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活字不足卍(プロフ) - ｱﾘｶﾞﾄｰｱﾘｶﾞﾄｰ 今日もコーラが美味い！ (2022年6月9日 1時) (
レス) id: 63abfde266 (このIDを非表示/違反報告)
ゆりりん(プロフ) - 54話はた○く細胞のことですよね？それにしても本当にこの小説好き!! (2021年1月25日 20時) (レス) id: 9679665185 (このIDを非表示/違反報告)
アリア - 作者さん、ボロくそ分かるぞそれv2さすがにそこまでは、いかないけども確かにさっくん(佐久間)も好きじゃ。でもね我の最推しは、神様仏様 "照美様" です！！(語彙力なくてすみません) (2019年8月8日 10時) (レス) id: baae3e32b1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：活字不足卍 | 作成日時：2019年7月31日 0時
