第081話・基山ヒロト ページ35
月明かりが照らす漫遊寺のグラウンドに一人立つ円堂。
「円堂〜」
「！ A」
「夕飯の準備できそうだから呼びに来たよ」
「そうか、ありがとな」
「……今日のこと？」
「あ…ああ」
円堂はイプシロンにどうやったら勝てるか考えていたようだが、難しいことは考えるだけ無駄だと思いボールを蹴っていたという。
「円堂らしいね」
「俺らしい、か…」
すると円堂の背後から、芝生を踏む足音がして振り返ると橙色のジャケットを着た赤い髪の少年がやって来た。
「君たち、すごいな。宇宙人とサッカーしてるなんてさ」
「見てたんだ！」
「漫遊寺中の生徒？」
「違うよ。違うけど見てた」
「そっか。もしかして俺たちのこと応援してくれてたのかな？」
「まあね…。俺、基山ヒロト」
「円堂守！ 雷門イレブンのキャプテンだ！ で、こっちが―――」
「九重Aちゃん……だよね」
「！！」
「あ、ああ」
名前を当てられたAは警戒するように顎を引いた。円堂もさすがにAの名前を知っていたことに驚ていた。
「知ってるよ、フットボールフロンティアで優勝したんだよね」
「ああ！ 今日は負けちゃったけどさ、でも今日負けたことは無駄にはならない！ この負けは次の勝利に繋がるから！ な！」
「え、……そうだね」
ニヘッと笑う円堂に毒気を抜かれたように微笑みを返すA。その二人を見てヒロトは「…いいなぁ、そういうの」と瞳を閉じる。
「一緒にやろうぜ！」
「え、」
円堂はほら、とヒロトに対しボールを蹴る。だが彼は、驚いたせいか動くことなくボールは彼の横を通り過ぎた。
「おいおい、受けてくれよ〜」
「円堂、初心者だったらどうするの」
「あ、そっか…」
彼が初心者ではないことを知っているA。だがヒロトが一瞬にして姿を消すには、Aも視線を逸らす必要があった。そのため円堂の元へ歩み寄り円堂に声をかけた。
ボールを拾い振り返るとヒロトの姿はどこにも見当たらず、秋が円堂とAを呼びに来た。ヒロトの行方を捜す円堂に秋は「幽霊でも見たのではないか」と言うと円堂が悲鳴を上げたのだった。
第082話・キャラバンへの同乗者→←第080話・雷門への攻撃理由
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活字不足卍(プロフ) - ｱﾘｶﾞﾄｰｱﾘｶﾞﾄｰ 今日もコーラが美味い！ (2022年6月9日 1時) (
レス) id: 63abfde266 (このIDを非表示/違反報告)
ゆりりん(プロフ) - 54話はた○く細胞のことですよね？それにしても本当にこの小説好き!! (2021年1月25日 20時) (レス) id: 9679665185 (このIDを非表示/違反報告)
アリア - 作者さん、ボロくそ分かるぞそれv2さすがにそこまでは、いかないけども確かにさっくん(佐久間)も好きじゃ。でもね我の最推しは、神様仏様 "照美様" です！！(語彙力なくてすみません) (2019年8月8日 10時) (レス) id: baae3e32b1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：活字不足卍 | 作成日時：2019年7月31日 0時
