第071話・春奈の頼み事 ページ25
「まさか私にケアをしろ、とでも？」
「Aに言われれば…」
「バカ言わないで…」
「！」
「……わたしは……ッ――――、おやすみ！」
Aは下唇を噛んで鬼道に背を向け寝袋に入った。鬼道は何が彼女の機嫌を損ねたか分からなかった。だが彼女の態度からしてそっとしておくことを察し静かに「おやすみ」と言って下へ降りていきキャラバン内へ入っていた。
―――わたしは…騙しているんだ…。力も…親も…全部…。そんな私に言われて
豪炎寺はAの力を察していた。アフロディやバーン、ガゼル、レーゼもどこからか入手した情報で実力を知っていた。
「私が影山の娘であることを、知ったら貴方たちはどう思うの…？」
―――怖い…。円堂たちが、あんなことをされて…した人の血が流れている私を認めてくれるかが、怖いんだ。今の不安定な風丸がそんなことを知ったら、もっと早く揺らぐに決まってる。
ジェミニストームを倒したことで自信が付いた彼は、今は安定している。この後イプシロンとも戦ってもその不安が増幅することはない。けれどその自信を根こそぎ叩き潰したのがジェネシス。
「どうしろって…いうんだよ…」
目を閉じると睡魔が襲ってきてAはそのまま眠りに入った。
「さ…―――さん…Aさん！」
「？」
揺り起こす声が聞こえ目を開けるとまだ日が昇り始めたばかりだった。
「どうした？」
目を擦り大きなあくびをしながら、身体を起こし寝癖掛かった髪を手櫛で整えたA。
「実は…その……頼りになれるの、Aさんだけで！」
「ほ？」
可愛い後輩にお願いをされると断れないのは前世からで―――ここは本来古株さんにでも任せればいいと思いつつAは春奈のお願いを断れなかったのだった。
髪を結わないまま漫遊寺のグラウンドに連れて来られた。そこにいたの木暮だった。
「ほうほう、あのちんちくりんの相手をすればいいんだな」
「すみませんこんなことになっちゃって…」
「気にすることないよ。君の頼みだし」
「Aさん…―――さすがは雷門一の紳士女子！」
「そこ、関係あるのかな…？ それであの子にボール取られなければいいんだよね？」
「はい」
「ハンッ、どんなすごい奴が来んのかと思ったら、女なんかに負けるかよ！」
遠目からAを見ていた木暮はそう呟いていた。
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活字不足卍(プロフ) - ｱﾘｶﾞﾄｰｱﾘｶﾞﾄｰ 今日もコーラが美味い！ (2022年6月9日 1時) (
レス) id: 63abfde266 (このIDを非表示/違反報告)
ゆりりん(プロフ) - 54話はた○く細胞のことですよね？それにしても本当にこの小説好き!! (2021年1月25日 20時) (レス) id: 9679665185 (このIDを非表示/違反報告)
アリア - 作者さん、ボロくそ分かるぞそれv2さすがにそこまでは、いかないけども確かにさっくん(佐久間)も好きじゃ。でもね我の最推しは、神様仏様 "照美様" です！！(語彙力なくてすみません) (2019年8月8日 10時) (レス) id: baae3e32b1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：活字不足卍 | 作成日時：2019年7月31日 0時
