第070話・夜な夜な ページ24
その夜、春奈がテントから出るのを感じた。しばらくすると話し声が聞こえた。声の主は鬼道だ。二人が離れたのを見越しAが寝袋を持ってテントから出て、キャラバンの上に乗り寝袋の上で寝ころんだ。
「……」
「A？」
「鬼道…もう戻って来たんだね」
「何だその言い方は？」
「いや、妹との時間は大事にしなよ」
「お前こそ、気を遣うべき相手を知っているだろ？」
鬼道はそう言いながらキャラバンの上に上り隣に座って来た。
「誰のこと？」
「風丸だよ」
「……」
「知っているんだろう。アイツが―――」
「そういうのは本人から聞いてなんぼじゃない？」
Aは風丸が自身に対し恋愛感情を向けているのを知っている。それを無視しているわけではないが、彼の口から聞かなければ価値がない。
「…そうか」
「同じ年頃の男の子なのに、君は恋愛に興味ないんだ」
帝国学園は、サッカー部は恋愛禁止であることを前々から聞いていた。マネージャーも無論女子禁制で男子しかいなかったらしい。
「恋愛にうつつを抜かせば、サッカーが疎かになるからな」
おそらく影山のそういった考えなのだろう。鬼道もそこらへんは同意見なのだろうか…―――。
「中学生っていうのはそこまで不器用には思えないね」
Aとしては恋愛もサッカーも両立できないのであれば最初からするべきではない、という口。だが人間の感情は、力を引き出すのにとても役立つ。恋愛をすることで意識を向上し「好きな子にカッコいい所を見せた」というだけでも、強くなったりもする。
目的のために邁進できるのであれば、恋愛はするべきだ。
「目的？」
「風丸と約束したの。フットボールフロンティアで優勝したら話を聞いてて。でもエイリア学園が来た。だから彼の話はまだ聞いてない。きっとその話は、君の想像通りだろうし」
「断るのか？」
「今は、仲間としての距離が適切だろうなって…」
「そうか」
「にしてもどうしてそんなことを？」
「風丸の様子だ。…ジェミニストーム戦を前に」
「あー、あれか」
以前、エイリア学園相手に神のアクアを使ってもいいのではないだろうか、ということだろう。それに関して円堂がフォローし、吹雪の特訓のおかげでジェミニストームにも勝った。だがまだどこか思うところがあるのではないだろうかと危惧している鬼道。
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活字不足卍(プロフ) - ｱﾘｶﾞﾄｰｱﾘｶﾞﾄｰ 今日もコーラが美味い！ (2022年6月9日 1時) (
レス) id: 63abfde266 (このIDを非表示/違反報告)
ゆりりん(プロフ) - 54話はた○く細胞のことですよね？それにしても本当にこの小説好き!! (2021年1月25日 20時) (レス) id: 9679665185 (このIDを非表示/違反報告)
アリア - 作者さん、ボロくそ分かるぞそれv2さすがにそこまでは、いかないけども確かにさっくん(佐久間)も好きじゃ。でもね我の最推しは、神様仏様 "照美様" です！！(語彙力なくてすみません) (2019年8月8日 10時) (レス) id: baae3e32b1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：活字不足卍 | 作成日時：2019年7月31日 0時
