第291話・危険な行為 ページ29
「うん。ここは監督がよく使ってる部屋なの。盗聴されると困るからね」
本当は私の部屋から盗聴器が出て来たから、監督に盗聴器発見器を預けていただけなんだけどねぇ、と独り言ちるA。
「俺の行動が全部…バレていたのか…」
「多分違うよ。まぁ君がここにいることは知っているだろうけどね」
「っ……」
顔を真っ青にするロニージョは椅子から立ち上がり、その場を去ろうとするがAが「焦らない焦らない」ともう一杯水を渡し、ロニージョは渡された水を飲みほした。
落ち着いたのか再び椅子に座ったロニージョ。
「ガルシルドのことでしょ？ 私に何か言いたいことがあるのかな」
「……ガルシルドが、君を狙っている…」
「ほぅ…」
「たまたま…本当に、たまたま…見てしまったんだ…」
たまたまガルシルドが管理するデータベースに私のデータが入っていたそうだ。それ自体は選手データだと思ったのだそうだが、とある事情でガルシルド邸でガルシルドとその側近、ヘンクタッカーが話している内容を聞いてしまい、その内容が命に関わることだと思ったロニージョはこうしてAに忠告しに来た、というわけだ。
「……ふーん」
「ふーんって、驚かないんだな」
「奴の狙いが自分かもしれないってことは聞いていたから」
「聞いていた…？ 誰に？」
「？…もしかしてロニージョは私が影山零治の娘って知らないの？」
「カゲヤマレイジ…この間亡くなったイタリア代表の監督か？ そう、だったのか」
「……」
ロニージョの様子からしてAと影山の事情は知らないことは明白だった。
「…随分と危険なことをするね。君の行動は、自分だけじゃなくチーム全体を危険にさらす行為だ。貴方はガルシルドがどんな人間かよく分かっているはずだ」
ロニージョはただ項垂れていた。ただ、
「貴方が何故…」
「？」
「対戦相手である貴方が、何故私の安否を気にするのか分からない」
ロニージョは思った以上に繊細で優しくて、年相応の子供だ。
円堂たちが妙に大人過ぎるのもそうだが、サッカーを抜きにすれば大人に対し、権力に対し怯えている普通の子供だ。
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小町 - この作品が完結したら引退なさるんですか！？(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡GOなどのお話は書かれないのでしょうか？主さんの作るお話はとても面白くて読んでいて楽しかったので残念です完結まで頑張ってください!この小説が大好きです！！！ (11月19日 20時) (
レス) id: b2c10b1855 (このIDを非表示/違反報告)
推ししか勝たん - この作品が大好きです。言いたいことは沢山あるのですが長くなりすぎるのも迷惑になってしまいそうなので簡潔に。主人公ちゃんのこれからをずっとずっと楽しみにしています。作者様が無理をなさらない範囲でこの作品が長く続くことを楽しみに、応援しております。 (11月5日 2時) (レス) @page27 id: 784e24571d (このIDを非表示/違反報告)
神月ティアナ(プロフ) - ほとんど前触れがなく気づいたら不動が推し活を始めていた！シリアスよりシリアルな主人公ちゃん好き、確かに主人公がドMでないところ以外は確かに類似している！ (11月4日 20時) (レス) @page27 id: 7ac5013380 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：活字不足卍 | 作成日時：2023年11月1日 17時
