第285話・ヴァジュラ シャクティ ページ23
「A、守備ことは円堂たちに任せられるが…攻撃はどうするつもりだ？」
「シュートする」
「脳筋か」
「だが、それが一番分かりやすいともいえる」
「積極的にゴールを狙え、ってことだな」
「実際私はイタリア戦で決勝点が上げられなかった…。最後にカタストロフ決めておきたかったけど」
肩をすくめるA。
センターラインから打っていたとしても、あの威力だ。撃たれていれば決勝点は固かった。そう考えるとゾクリと背筋が凍る想いをするフィディオ。冗談ではない。
前半のイラ立ちを募らせるダークエンジェルは、後半開始早々にボールをイナズマジャパンの面々にぶつける暴挙に出た。
その中にはAも含まれていたが、ひらりと躱される。
「ケッ、つまんな」
「くそ！ 大人しく当たっておけ！」
「的になれ！」
デスタとセインの集中砲火を受ける。が取りこぼしたボールを一瞬のうちに奪い、1人茫然とダークエンジェルの陣地へ上がった。
「…目を離せないでね。━━━ヴァジュラ シャクティ！」
巨大な雷撃を纏った矢の一閃が瞬きの合間にダークエンジェルのゴールに突き刺さった。
「え、入った？」
「す、すごいやん！ A！！」
「うっそだろ、おい」
「早すぎる」
あっと言う間に点を入れたその姿は前半戦でセインとデスタが見せたものとほとんど一緒だった。
あまりのスピードに現実感がないイナズマジャパン。
「すげーよ、A！」
「いつの間にあんな必殺技！」
「ありがとう、円堂、吹雪」
「よし、勢いは着いた。積極的に攻めて行こう！」
「「おうっ！！」」
互いを称え合い笑顔の絶えないイナズマジャパン。
その中心に今、いるのがA。
「何故、何故笑っていられるのだ？！」
苛立ちの中でAに問いかける。
「簡単だよ。…人間は利用できるものなら、何だって利用する。
例えそれが悪魔だろうが、天使だろうが、魔王だろうが……神様であったとしても！」
円堂たちの成長のためにはこの試合は捨てられない。そして彼らは自分のために用意された歯車の一つでしかないのだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 734人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
小町 - この作品が完結したら引退なさるんですか！？(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡GOなどのお話は書かれないのでしょうか？主さんの作るお話はとても面白くて読んでいて楽しかったので残念です完結まで頑張ってください!この小説が大好きです！！！ (11月19日 20時) (
レス) id: b2c10b1855 (このIDを非表示/違反報告)
推ししか勝たん - この作品が大好きです。言いたいことは沢山あるのですが長くなりすぎるのも迷惑になってしまいそうなので簡潔に。主人公ちゃんのこれからをずっとずっと楽しみにしています。作者様が無理をなさらない範囲でこの作品が長く続くことを楽しみに、応援しております。 (11月5日 2時) (レス) @page27 id: 784e24571d (このIDを非表示/違反報告)
神月ティアナ(プロフ) - ほとんど前触れがなく気づいたら不動が推し活を始めていた！シリアスよりシリアルな主人公ちゃん好き、確かに主人公がドMでないところ以外は確かに類似している！ (11月4日 20時) (レス) @page27 id: 7ac5013380 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：活字不足卍 | 作成日時：2023年11月1日 17時
