第220話・お願い ページ41
「どうするつもりだ、ただ忠告じゃないぞ。あの人ならば絶対に実行する。
おまえが命の危険に陥っても躊躇しないということだぞ！」
熱くなり語気がやや強めになる鬼道。
そんな彼に対し、Aは少し困ったような表情を浮かべながら破顔した。
「確かに、あの人ならやるね」
「なら…！」
「でも、私は辞退はなしない」
「だが」
「私は、イタリア戦に出る。フィディオたちと戦いたいし、円堂やきみもとサッカーをやっていたい。
その気持ちはより一層、私の中で大きくなった。
誰にも譲らない。私の、私だけが、私のために持っていられる…唯一のもの
決して誰にも変えることは出来ないし、何度負けようと、危険な目に遭おうと、変わらない」
「A…」
「本当はきみたちにも心配をかけたくはないんだけどね…。
きみ、あの人のことになると周りが見えなくなるみたいだから」
「否定はしない…」
「そうでしょ？」
ふふふっ、と笑うAに鬼道も笑みを返した。
だがやはり不安感はぬぐえない。
彼女がもし、もし怪我をして一生サッカーができなくなったら？
寝たきりになったら？ 最悪の場合、死んでしまったら……？
「有人」
「！」
気づいたら彼女が目の前にいた。
Aは鬼道の足を挟むように、ベッドに乗り上げ彼の膝の上に向き合う形で座り、
腕を首の後ろで組んできた。
今にでも、キスが出来るのではないか…と思うほどに近い距離。
彼女から漂うボディーソープだろうか、シャンプーだろうか、ほのかに香る甘い匂い。
ツヤツヤしてハリのよい肌、体温を間近に感じながら、
鬼道の視線は彼女の唇に釘付けになり、彼女の呼吸音、息遣いに生唾を呑む。
「変なこと…考えているでしょ」
「な…なにを……」
「あのね、私これでも悪運は強い方だと思っているんだよ…」
「俺はおまえが、心配で…」
「うん、ありがと。心配してくれて。でも悪い想像っていうのはね、現実になってしまうことが多い。
だからね、有人…きみには、ずっと笑顔でいる私を想像していて欲しい。
━━━━そうしたら私、強くなれるから…ね？ お願い」
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活字不足卍(プロフ) - ごめんちゃい………でも頑張って10月中に出すよ！ (2022年10月21日 23時) (
レス) id: 251c6e8c34 (このIDを非表示/違反報告)
活字不足卍(プロフ) - 極端に言うとほぼ今日から書き始めました (2022年10月21日 23時) (レス) id: 251c6e8c34 (このIDを非表示/違反報告)
雪女 - 更新楽しみにしてます。 (2022年10月9日 21時) (レス) id: 883542d863 (このIDを非表示/違反報告)
フラッペ(プロフ) - お仕事大変なのに更新ありがとうございます。生きる糧なので続きを期待して待ってます！ (2022年10月8日 18時) (レス) @page37 id: 9679665185 (このIDを非表示/違反報告)
夜空(プロフ) - 続き楽しみにしてます。頑張ってください。 (2022年10月8日 14時) (レス) @page37 id: 9767c8e410 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：活字不足卍 | 作成日時：2022年9月22日 21時
