第179話・VSジ・エンパイア5 ※ ページ44
「━━━━バカにしてんのか？」
Aが言った「点差なんてすぐ追い付いてあげる」に神経を逆撫でされたのか
やや青筋の浮かぶテレスは、FWにボールを託す。
「遠慮はいらん！ やれ！」
「セルヒオ！」
「エステマン！」
「レオーネ！」
「エミリア！！」
次々にパスが回され1点目を入れられた時と同じ状況になる。
「失敗してもいい。サッカーは楽しいもの……そうですよね、円堂さん！ Aさん！！」
小柄な体格だが威圧的であり、迫力のある選手であるエミリア。
ニヤリと口角が上がる彼女に立向居は真っ直ぐに見合った。
「今度こそ3点目……ハイドロインパクト！！」
「これが！ 俺の全部だ！！ 魔王・ザ・ハンド！！」
魔王のごとき気迫でエミリアのシュートをガッチリとキャッチした立向居。
フィールド上にいるジ・エンパイアの選手たちは我が目を疑う。
「…あ…あたしのシュートが……とめ、られた？」
立向居がシュートを止めたと同時に前半戦を終了を伝えるホイッスルが鳴った。
「やったでヤンス！」
「すげぇじゃねえか、立向居！」
「遂にやったね！」
遂に完成した彼の必殺技『魔王・ザ・ハンド』
綱海たちが駆け寄り立向居に賞賛の嵐が巻き起こるが、当の本人は呆然としている様子で、
綱海に肩を揺らされ、ハッとした様子で喜びを露わにする。
「はい！ ありがとうございました！」
ベンチに戻ろうとする飛鷹の背中に立向居は再び「ありがとうございました！」と礼を言う。
「キャプテンなら、ああいうと思っただけだ」
素っ気ない対応だが飛鷹自身も悪い気はしていないようだった。
「……」
「エミリア？」
ジ・エンパイアの選手たちがベンチへ戻る中、じっと立向居を見ているエミリア。
テレスが彼女に声をかけても反応が返ってこない。
「おい、エミリア」
「次は…止めさせない……」
無駄口を叩かない。
表情の機微が少ない、
性格は性悪の腹黒ストライカーと揶揄されることもあるエミリア。
プライドが高いの勿論のこと、それはストライカーとして誇りを持っているからだ。
立向居に今にも噛みつきそうな雰囲気を漂わせながら彼女はジ・エンパイアのベンチへ戻った。
第180話・VSジ・エンパイア6 ※→←第178話・VSジ・エンパイア4 ※
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皇(プロフ) - 一番最初から全部読みました。最高です。しかもまだまだ続く…！やっと追いついたので本日の一言も始めてみましたがとても面白かったです。これからも更新頑張ってください！✨ (2022年9月22日 9時) (
レス) @page38 id: 84ae00d6d7 (このIDを非表示/違反報告)
フラッペ(プロフ) - 本日の一言が好きすぎる (2022年9月14日 23時) (レス) @page23 id: 9679665185 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：活字不足卍 | 作成日時：2022年9月11日 16時
