第149話・手があつい ページ14
とある場所にて━━━━━━
「ほう、イタリアとジャパンの混成チーム、ですか」
オルフェウスの合宿上の木に小型の隠しカメラが映像を捉え、
モニターを通し、暗い部屋にいる男性2人がその様子を食いるように見ていた。
「これが円堂守か。面白い。君の申し出通りにしてみよう。
九重Aもいるようだ、その実力を十分に測りなさい。ミスターK」
隣にいる小男は「手筈は整えましてございます」と
胸ポケットから携帯を取り出し、画面を見せる。
そこには日本代表イナズマジャパン、アルゼンチン代表ジ・エンパイア戦を本日に執り行う、
という内容があり、各所からの問い合わせ含め数十件のメールが相次ぎ、
日本代表の監督久遠と引率である響木を大会本部へ呼び出すよう指示する内容まであった。
「これでゆっくりと例の計画の遂行を見物できますね」
そして「RHプログラム」という文字があったのだった━━━━━━
チームKのベンチでは、ミスターKこと影山が携帯の通話をオフにした。
「総帥、いつでも行けます」
「うむ。奴らを粉砕し、イタリア代表の座を奪い取れ。お前たちにはその力を与えてある」
「「はい！！」」
試合前にトレードマークとも言える黒髪をお下げに結び直す。
それがAのルーティーンだ。
それを終わらせても尚も落ち着かないのか、Aは影山に視線を送り続ける。
「A…」
「……」
「行こう。これは俺たちの戦いでもある」
「……」
鬼道が声をかけ、背を向け自身のポジションへ向かう。
そんな鬼道の手を控えめに引いたA。
とても、とても小さな力で鬼道の右手の中指から小指までを握る。
戸惑い振り返り、Aの顔と握られた手を交互に見る鬼道。
━━━━━━その手が震えていなければ、握り返せただろう。声もかけられたものを…
何を言っていいのか分からなくなった鬼道は立ち尽くしてしまった。
熱い、くらいに彼女の確かな温もりが手から伝わってくる。
「さっさとポジションつけよ」
と不動がAを小突き、鬼道を睨んだ。
そう、これから試合だというのに2人の世界に入ってしまった。
だが決してそれは甘いものではなかった。
暗く、淀んで、冷たい━━━━━そんな空間だった。
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皇(プロフ) - 一番最初から全部読みました。最高です。しかもまだまだ続く…！やっと追いついたので本日の一言も始めてみましたがとても面白かったです。これからも更新頑張ってください！✨ (2022年9月22日 9時) (
レス) @page38 id: 84ae00d6d7 (このIDを非表示/違反報告)
フラッペ(プロフ) - 本日の一言が好きすぎる (2022年9月14日 23時) (レス) @page23 id: 9679665185 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：活字不足卍 | 作成日時：2022年9月11日 16時
