転生者は、苦悩する Lv.4【イナズマイレブン】 (ページ42)

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第181話・木戸川清修戦　その3 ページ42

雷門陣内へと切り込む武方三兄弟にパスが渡ろうとしたとき、豪炎寺がカットし染岡と共にドラゴントルネードを放つ。だが木戸川清修のGK軟山のタフネスブロックで止められ弾かれる。弾かれたボールをすかさず豪炎寺がファイアトルネードでシュート、咄嗟のことに反応できなかった軟山からゴールを奪い雷門が同点になる。

「豪炎寺め、狙っていたな」
「え、」
「1年一緒に過ごしたチームメイトだからこそ、ドラゴントルネードが止められたにしろ止められなかったにしろ豪炎寺は狙っていたと思うよ」

　でなきゃあんなに早く反応できないからね――。と小さな声で呟くA。
　試合は同点のまま一進一退の攻防戦が続く。後半の時間も残りわずかになる。そんな中武方三兄弟のトライアングルZが飛び出した。
　円堂はゴッドハンドで対抗するものの、ジワジワと奥に押し込まれている。そこへ栗松と壁山が円堂の背を押し一緒にトライアングルZを止めた。

　ボールは円堂から豪炎寺へ渡り木戸川清修陣内へ迫る。武方三兄弟は豪炎寺の前に立ち塞がるが、豪炎寺が一之瀬へバックパスをする。

「今だ！トライペガサス！行け！」

　豪炎寺が囮となり一之瀬、土門、円堂が上がっていく。そこへ西垣のスピニングカットが襲い掛かる。それを突破しスピニングカットの勢いも相まって天馬は不死鳥のごとく炎を纏い空に高く飛び上がった。

「冗談じゃないっしょ！」
「このままじゃ僕たちは終われない！
「決めさせるかぁあ！」

　武方三兄弟の身体を張った決死のディフェンスをも吹き飛ばし木戸川清修のゴールへと突き刺さった。そして試合は雷門の逆転で終了した。

　―――雷門は40年ぶりの決勝進出を果たした。

　この試合で豪炎寺と武方三兄弟は、和解を果たした。

「よかったなぁ…分かってもらえて」

　武方三兄弟と豪炎寺が握手している場面を見て円堂が心底安心したような声を出した。

「ついにここまで来たな。…次は世宇子との決勝戦だ」
「ああ！」

　と円堂は自分の拳を見つめる。拳を開き自分の手のひらを見つめ悔しそうに歯を食いしばる円堂。

「大丈夫？」
「……ああ！」

　Aに問われ再び拳を握る円堂。だがその表情は晴れやかとは言い難かった。