転生者は、苦悩する Lv.4【イナズマイレブン】 (ページ38)

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第177話・二階堂監督ページ38

武方三兄弟は、一斉に走り出し勝から努、努から勝を踏み台にし高く飛んだ友がシュートを放つ、その名も―――

「「〝トライアングルZ〟！」」

　さまじい勢いで『トライアングルZ』がゴールへ向かう。そんなところへ単身飛び込んで言った一人の少女がいた。

「A！」

　豪炎寺が名前を呼んだ少女。彼女が『トライアングルZ』の前に出て胸で軽くトラップして止めた。

「ぱっ！」
「ん？！」
「つ！！」

　Aのスカートの中を偶然にも覗いてしまったのか三兄弟がチョロッと鼻血を出した。
　雷門の制服のスカートを翻しながら空中からボールと共に地上へ下りるA。

「まさに舞日女だな」
「それ、鬼道だけしか言ってないよね…」

「な、なんで女がでしゃばってくるんだよ！みたいなァ！」
「女のスカートでそんなに戸惑う？初心だねぇ。だいたい私、タイツ履いてるのに」
「ばばばば、ばか！おま、おまえ！動体視力がいい奴ならタイツ越しでも見えるんだよ！」

　風丸が顔を真っ赤にしてAに言うと、男子全員が視線を逸らし始めた。クールな豪炎寺ですら頬を染めている。先ほどまでの一色触発な空気感はなくただただ男子たちが頬を染め上げる空間が広がっていた。
　するとそこへ―――

「何やってるんだ！お前たち！！」
「「監督！」」

　突然現れたのは木戸川清修サッカー部の監督二階堂と部員の西垣だった。武方三兄弟はアンバランスであろう『トライアングルZ』のポーズで驚いても崩れない体幹の持ち主のようだ。

「サッカー選手ならば、試合で正々堂々と戦え！」
「「分かりました…」」
「…君もそれでいいな？」
「はい、すみませんでした…」

　円堂も素直に謝罪する。二階堂は三兄弟に先に帰るように言う。

「二階堂監督！」
「久しぶりだな、豪炎寺。フットボールフロンティアでの活躍は見ている。元気にサッカーを続けているようでよかったよ。頑張れよ」
「ありがとうございます」
「うん。…にしてもそこの女の子！」
「？」

　ボールをトラップしたことでついた砂埃を払いながら豪炎寺たちの元へ向かうAに二階堂は声を変えた。

「私…ですか？」
「ああ。あの必殺技を止めるなんて大したものだ。期待しているよ」
「？は、い？(二階堂監督ってまともな人だし、声は山寺さんだし…非の打ち所がないな)」

　二階堂が西垣を連れ帰ろうとすると一之瀬が呼び止めた。どうやらアメリカの幼馴染全員が集合したようだ。