転生者は、苦悩する Lv.4【イナズマイレブン】 (ページ32)

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第171話・駄菓子屋ページ32

「うっわぁ～懐かしい！稲妻町ってまだこういうところあるんだ！」
「Aも知っているのか？」
「うん。もう何十年も前の話だけど、最近じゃあこういうレトロなところって減ってるんだよね。中学生のお財布にはとっても優しいんだよ～」
「何十年も？」
「アッ…いや、そのっ…」

　――しまったぁぁぁズボラほったぁぁ！い、いやだが誤魔化すんだ私！前世持ちなんて中々遭遇しないし！というかいるなんて信じられるわけがないんだから！だいたい精神年齢43歳のおばさんが超次元サッカーで中学生と一緒にはしゃいているっていうのも絵面的にアウトでしょ！

「な、何年も前のことだけど～！」
「言い間違えたのか？」
「う、うん…」

　――く、苦しいっ！苦しい言い訳過ぎる！息が詰まりそう！
　これでなんとか誤魔化せたAは一安心する。

「おばちゃん！こんちは！」
「おや、サッカー少年。いらっしゃい」

　円堂は常連のようでお店の女性店主とは顔見知りのようだ。

「何にしようかなぁ…梅ジャムか、ミルクせんべいも美味そうだなぁ」
「円堂ちゃん！いよいよ準決勝だね！頑張ってね！」

　お店の中にいた稲妻KFCの鮮やかな赤いユニフォームを着た如月まこ、宗像大翔、寺坂響がいた。まこが円堂にエールを送り、大翔は酢昆布がオススメだと言った。

「ねえ豪炎寺、あの子覚えてる？」
「？」
「ツインテールの女の子。あの子、豪炎寺があの時助けた子だよ」
「あぁ…そうか、あの子か」

　どうやらまこの顔はよく覚えていなかったようだが、円堂との出会いはよく覚えているようだ。

「こんなところ、まだ残っているんだな稲妻町には」
「ああ、俺も初めて来た」

　円堂とAが駄菓子屋で買い物をしている中、豪炎寺が自販機で飲み物を買い、鬼道が自販機のベンチに座っていた。そこへAがやって来た。

「もういいのか？」
「はい、これ奢り」
「？これは？」
「うま〇棒！」

　笑顔で差し出してきたうま〇棒。コンポタージュ、メンタイ、チーズのトップ3の味を渡してきた。