転生者は、苦悩する Lv.4【イナズマイレブン】 (ページ26)

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第165話・一之瀬一哉ページ26

「そう一之瀬一哉！アメリカの『フィールドの魔術師』だ！」
「フィールドの魔術師…」

土門が前にトライペガサスの話を持ち出したときに話題に上がった人物だ。
その人物は死んでいると土門と秋は言っていたが、何故ここへ？と豪炎寺は首を傾げる。

「この前死んだって！」
「俺だって一之瀬が生きていたなんて知らなかったんだよ！」
「ふーん、聞いたことある名前だなーって思っていたけど、やっぱりそうだったんだ」

Aは以前からアメリカの雑誌をネットで見ていた。
秋や土門は一之瀬のこともあり、おそらく閲覧していなかったのだろうが、
一之瀬の活躍はアメリカのサッカー誌では大々的に活躍が記載されている。

「にしてもフィールドの魔術師が来るとはね、驚きだ」
「Aは知っていたんだろう？」
「え、何のこと？」

はぐらかすAに豪炎寺は問う。

「一之瀬の存在だ。木野や土門との関係を知ったのはこの間だろうが、
　奴の存在を知っていたんだろう？」
「…さあね。でも…」

目を閉じ懐かしそうに微笑むAは「そうだねぇ…」と間延びした言葉を発する。

「強いて言うなら私の見つめている先はすでに〝世界〟であることかな」
「！世界…」
「ほら、私留学していた話は結構有名でしょ」
「ああ」
「私ね、イギリスのサッカーを知って驚いたんだよ。
　知り合いの子がすでに天才的なストライカーでね、たまに連絡を取ったりもするんだけど…。
　今じゃイギリス代表候補だって。日本とはまったく違ったサッカーだった。
　たった1年だけど、いい出会いをしたと思っているよ」

懐かし気に目を細め青々とした空を見つめるA。
フィールドでは、一之瀬と鬼道のボールの奪い合いが始まっていた。

「すごいね」
「ああ、鬼道と互角…いや、それ以上に渡り合っているとは…」
「ふふっ、じゃあ私も行ってこようかな！」

Aは2人のプレイを見て楽しくなったのか突撃しに行った。
一之瀬は驚きつつもAを交わす。だがそこへ鬼道がすでに移動していた。

「お兄ちゃんとAさんって息ピッタリですね！」
「ええ、この間転校してきたのに。そうとは思えないわね」

　春奈と秋が2人の連携に感心する。