転生者は、苦悩する Lv.4【イナズマイレブン】 (ページ19)

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第158話・千羽山戦　その1 ページ19

翌日。フロンティアスタジアムにて、響木はずっと誰かを待った様子で試合を開始しようとしない。選手たちから非難の声が上がる。

「監督、いい加減にしてください！」
「いや、まだだ。もう一人来る」

　主審は3分以内にフィールドに出ないと試合放棄とみなすと申告した。秋から円堂に監督を説得するように言われるが、円堂は「監督がまだって言うならまだなんじゃないか？」と言う。円堂は響木を信じて、言葉の意味を理解しようとする。

「あと1分」

「試合放棄なんて勘弁してください！」
「来る来るって誰が来るんですか！」
「もう誰も来ませんよ！」
「全員揃ってるんですよ！」
「なんで試合を始めないんですか、監督！」

「あと30秒」

「響木監督！一体誰何来るって言うんですか！」

　そうして入場ゲートから足音がした。全員がそれに気づき視線を向ける。そこにいたのは青いマントを靡かせ雷門のユニフォームに身を包んだ、鬼道有人だった。

「「うそぉぉぉっ？！？！？！」」

　鬼道の登場は会場全体を震撼させた。中には「どうなっているんだ！」と怒鳴り声を上げる人物までいる。大会規定によると、プレイヤーは試合開始前に転入手続きを終えていると大会中でもチーム移籍は可能だとのこと。

　鬼道は雷門の元へ歩み寄った。

「あのままでは引き下がれない！世宇子には必ずリベンジする！」
「鬼道。俺には分かってたぜ！お前があのまま諦める奴じゃないってことは！」
「なんて執念だ…」

　MFには宍戸のポジションに鬼道が入る。それを伝えられた宍戸はスタメン落ちでしょんぼりと肩を落とす。そこへ円堂が「いつでも出れるように準備してくれ」と言った。

「期待してるよ、鬼道」
「ああ。よろしく頼む、九重」

　Aと鬼道が握手してから、彼らは自らのポジションに向かった。
　雷門のキックオフで試合が開始される。雷門は敵陣に切り込むだが…半田から染岡にパスが渡るがタイミングがずれ千羽山の選手に奪われてしまう。
　ブロックし攻撃の為パスをするが通らない。ゴール前までボールを持って行ってもFWにボールが繋がらない。