転生者は、苦悩する Lv.4【イナズマイレブン】 (ページ12)

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第151話・戦国伊賀島戦　その2 ページ12

Aは円堂が手を痛めることを知っていたため、アイシング用の氷を持ってきていたのだ。

「はい、これ」
「あ、ああ…サンキュー…」
「こんな状態でゴールを守っていたのか！」
「心配すんなって！左手でも絶対ゴールは許さない」
「円堂……」

　しばらく冷やしてから秋が包帯を巻いて行く。風丸が円堂をカバーすることをDF陣へと声をかける。MFやFWも一丸となって円堂をカバーすると頷いた。
　後半戦の開始時間になり自身のポジションに向かう風丸にAが声をかけた。

「風丸」
「？」
「…約束…守ってくれるんでしょ？」
「ああ、もちろんだ！行ってくる！」
「いってらっしゃい」

　そうして後半戦が始まり、後半も戦国伊賀島の猛攻が雷門陣内を襲う。それを決死のディフェンスでシュートを撃たせない雷門のDF陣の気迫は、とても迫力がある。特に風丸の気迫は群を抜いていた。

「俺が、絶対ゴールは許さない！！」

　その気迫は、どうやら観客席にいる宮坂にも伝わっているようだ。
　戦国伊賀島は猛攻は留まることを知らず、砂塵を巻き上げながら雷門陣内へ攻め入る。DF陣を吹っ飛ばしながら、霧隠が姿を現し風丸がブロックするが、それは霧隠の分身だった。

「しまった！壁山止めろ！！」

　すでにゴール前には壁山と円堂しか残っておらず、風丸の位置からでは間に合わない。
　そうしている間にも霧隠がすかさずシュートを撃つ。

「もらった！！」
「絶対に通さないッス！！」

　壁山の気迫は壁のように立ち塞がり、霧隠のシュートを防いだ。だが霧隠はこぼれ球を拾いつちだるまで追加点を狙う。風丸が立ち塞がるがシュートは止めららず円堂がゴッドハンドで対抗する。――だが、利き手の痛みもあってか破られてしまう。追加点を確信した霧隠は笑う。

「うぉぉおおおっ！！！」

　宙に浮いたボールを風丸が阻止し、戦国伊賀島の追加点は叶わなかった。風丸のスーパープレイに会場の観客たちからの歓声が上がる。
　風丸はディフェンスラインからドリブルで駆け上がる。そこへ風魔がくもの糸で風丸を捕らえようとするが、風丸の疾走にくもの糸は追いつくことが出来なかった。

「そこだ！行けー！風丸さーん！！」

「行くぞ、豪炎寺！」
「おう！！」

　そしてボールは豪炎寺と風丸の二人により高く上げられ、上下から同時にシュートをし炎を纏った六枚羽、炎の風見鶏が戦国伊賀島のゴールを襲った。