転生者は、苦悩する Lv.4【イナズマイレブン】 (ページ44)

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第183話・ゲッソリ円堂ページ44

木戸川清修戦から翌日。

「おはよー」
「おう、Aおはよう」
「鬼道もおはよう」
「ああ、おはよう」

　校門前には風丸、豪炎寺、鬼道がすでに着いており後ろからも一之瀬と秋が一緒に登校してきた。そしてゲッソリした声でやって来たのが―――

「おはよぉ……」
「うっわぁ酷い顔！」

　おそろしく顔色の悪い円堂だった。肩を落としいつもの元気な彼はどこかへ行ったようだ。

「駄目だ…駄目なんだよ……」
「駄目って、何が？」
「なあ俺…ゴッドハンドで世宇子のシュート止められるのかな…？」
「らしくないぞ。いつものお前ならやってみなくちゃ分からないって、真正面からぶつかっていくじゃないか」

　円堂は頭を掻きむしって「この決勝絶対に負けられないんだ！」と言う。

「やってみなくちゃ分からないじゃ、ダメなんだ！分かるだろ！！」

　荒れている円堂にさすがの鬼道も驚きを隠せていない。

「昨日の木戸川戦、気にしてるの？」
「自信をなくしたのか？」
「なくしたっていうか、不安なんだよ。どうしたらいいか考えてたら余裕がなくなっちゃって…頭ん中ぐちゃぐちゃで…」

　円堂はトボトボと自身の教室へ向かった。
　一之瀬は雷門に入ったばかりだからこそ円堂が、今までああなったことがあるか、と聞くが全員それを否定する。

「あんな円堂くん、見たことない…」
「土壇場が一番の調味料なだけあって、自分を追い詰めすぎだね」

　円堂の味は土壇場でしか発揮されない。倒れれば倒れるほど強くなる。それが『円堂守』という人物だ。
　昼休み、豪炎寺と鬼道、Aが集まっていた。

「どうだった？」
「授業も完全に上の空だったな」
「今まで思い悩むことなってなかっただけ、相当参ってるな」
「……」

　黙り込むAに豪炎寺が「心配か？」と言う。

「いや、心配ってわけじゃ…」
「いつものお前ならニヤリって笑って「円堂を信じている」て言うと思ってな」
「信じているとも。でもそういうのは、表立って言えるほど素直な性格じゃないんでね」

　それを聞いた鬼道と豪炎寺は肩をすくめ頬が緩むのだった。