第123話・様子 豪炎寺side ページ29
明らかに円堂とAの様子がおかしい。円堂は帝国に入る前までいつも平常通りだった。だが、さっきからアップに集中していない。
帝国サイドには鬼道の姿は見受けられない。鬼道のことだ、おそらく帝国の監督が何か罠を仕掛けていないか1人で探っているのだろう。だが―――Aの様子がここまで妙なのは帝国学園との初試合のときと同じようにも思える。
Aはぼーっとして帝国のスタジアムの真上を見上げたり、キョロキョロと落ち着きがない様子だ。円堂は円堂でゴールの前に突っ立っている。
円堂は顔を洗ってくると言ってグラウンドを後にする。
Aなら、円堂の様子がおかしい理由を知っているかもしれない。彼女は何かと事情通。本来であれば知らないはずの情報も知っていることが多い。
ボケッとしているAに声をかける。
「A、円堂のヤツ……？」
だが、彼女は反応しない。再度名前を呼ぶと。
「え、あ…何、豪炎寺」
「？」
まるで今気づいた、と言わんばかりに何事もなかったかのように笑顔で「何？」と返してきた。
俺がじっと顔を見つめていたのを不思議に思ったのか「どうしたの？」と言う。
「…お前……」
「？」
上の空…というのは円堂だけじゃないようだ。それに彼女の上の空の理由はどうやら円堂や罠の心配ではなさそうだ。別の何か、のような気がする。
「いや、なんでも…ない。それで円堂のことだが」
「気になる？」
「ああ。集中できていないからな、Aは何か知っているか？」
彼女は首を横に振り分からない、と返した。――そうだな。Aは神様でも何でもない。何でもかんでも知っているわけがない。頼られるのは嬉しいと言うが、これは依存になりかねない。今後は控えよう。
俺はアップに戻る。段々とスタジアムに客が入り始めた。円堂はその間まったく戻ってこなかった。
「どうだ、豪炎寺」
「いい調子だ」
「嬉しそうだな」
「まあな」
去年、戦えなかったからこそ俺は……
すると、宍戸の悲鳴がスタジアムに響いた。
「何があった！」
悲鳴を聞いてきたのか円堂と木野が駆け寄って来た。宍戸は「もう悪戯しませ〜ん」と半泣きしている。そして染岡が宍戸に襲い掛かったものを地面から取り出した。
「ボルト？」
「落ちて来たのか。ったく危ねーな、宍戸に当たったてたらどうするんだよ」
染岡が帝国の整備不全に文句を言う。円堂は染岡の持っていたボルトを掴み顔を強張らせた。
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活字不足卍(プロフ) - ご飯いっぱい食べて♡ (2022年6月9日 1時) (
レス) id: 63abfde266 (このIDを非表示/違反報告)
もち。(プロフ) - 最速で！最短で！まっすぐに！ 一直線に！…まさか、適合者…？？ (2019年7月8日 14時) (レス) id: 06ef4b6d18 (このIDを非表示/違反報告)
suraimu471(プロフ) - ブラフマーストラか、じゃあ次はブラフマシラーストラとかいう世界を七度焼き払う投擲だね！ (2019年7月8日 7時) (レス) id: 8c6c5cc2e1 (このIDを非表示/違反報告)
suraimu471(プロフ) - 現時点での夢主の強さはどの位かな？ (2019年6月19日 10時) (レス) id: 8c6c5cc2e1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：活字不足卍 | 作成日時：2019年6月14日 18時
