第119話・大人の務め ページ25
翌日。練習をしようと部室に行けばそこには新監督に就任した響木さんがいた。響木さんは帝国戦までに鍛えてやる、と言ってとても頼もしい。
「響木さん」
「どうした」
「少し、お話があります」
響木さんは雷雷軒で円堂たちの話を盗み聞いていたため、私が選手であることは薄々気付いていたそうだ。だが、私の話というものはそんなものじゃない。−――両親のことだ。因縁のある人だからこそ、響木さんは知っていなければいけない。
部室の裏に響木さんを連れ出し話をした。父があの影山零治であること。九重の血統や、今の私と影山零治との関係を。
すべてを静かに聞いていた響木さんは、話終えた私に対し「そうか」と一言こぼした。
「土門がスパイをしていたことは本人から聞いた。だが、お前は確かに立場が複雑だ」
「…はい」
「親との因縁は血ばかりがついてくる。それはお前の親父も分かっているだろうからな」
「影山東吾ですね」
「！ 知っているのか」
「はい」
そりゃもう知っている。私の血統がどうであれ影山東吾の血を受け継いでいるのであれば私もサッカーのセンスは人並み以上なのは見てわかる。GOで出た輝くんなんかは初心者にも関わらず、全国大会でも大きな活躍をしたのはよく記憶に残っている。
「親との決着は自分でつけます。…私は今円堂たちとサッカーをすることがとても楽しいです。だから雷門サッカー部にいさせてください」
「それは俺が独断で決めることじゃない。円堂たちの相互もあってだ。実際にお前と影山に接点はない。大丈夫だ、何があっても俺がお前たち選手を守ってやる。それが大人の務めだ」
「……はい！」
大人の務め、とは簡単な言葉かもしれない。子供を守り育むのは親と教師たちだ。その周りがダメならば子供はそれを吸収する。けれど円堂たちがどこまでも純粋にサッカーが出来たのは、親や兄弟、家族の存在、友人など様々な人に支えられたからこそなのだ。
見守ることで成長を促すことだってできる。子供はすぐに成長する。責任をもって子供を守れる人…響木さんはそういう人だ。
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活字不足卍(プロフ) - ご飯いっぱい食べて♡ (2022年6月9日 1時) (
レス) id: 63abfde266 (このIDを非表示/違反報告)
もち。(プロフ) - 最速で！最短で！まっすぐに！ 一直線に！…まさか、適合者…？？ (2019年7月8日 14時) (レス) id: 06ef4b6d18 (このIDを非表示/違反報告)
suraimu471(プロフ) - ブラフマーストラか、じゃあ次はブラフマシラーストラとかいう世界を七度焼き払う投擲だね！ (2019年7月8日 7時) (レス) id: 8c6c5cc2e1 (このIDを非表示/違反報告)
suraimu471(プロフ) - 現時点での夢主の強さはどの位かな？ (2019年6月19日 10時) (レス) id: 8c6c5cc2e1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：活字不足卍 | 作成日時：2019年6月14日 18時
