第118話・奥さんの趣味 ページ24
「ありがとうございます」
「だから、そんな！ 頭を下げないで！」
「まあ、すみませんわ」
そうして奥さんは本題であるイナズマイレブンの資料をすぐに取って来ると言って客間を出た。
しばらくして奥さんは確かにイナズマイレブンの資料を持ってきてくれた。
それも大量に。
「こ、こんなに…」
「名簿だけではありません。こちらはビデオと写真になります」
そういえばさっきサッカーファンって言ってたっけ。
ここまでの資料を集めるのに苦労するだろう。
「…40年前」
「！」
「今では伝説チームと呼ばれるイナズマイレブンは、
フットボールフロンティアの決勝戦でその年初出場となる帝国学園と当たり会場へ向かう際、
バスの事故に遭い試合は帝国学園の不戦敗となり以来帝国学園は40年間無敗を誇っています。
帝国学園サッカー部は素晴らしいチームです。
まさに完成された勝利をひた走る揺るぎない自信を持っている」
━━━━…この人、本当によく見ている。
彼女の言うことは私もよく分かる。
勝利するために完成されたチームにしたのはあの人で、
チーム全体の士気を上げているのは鬼道だ。
「わたくしは、事故そのものに疑問点が多い気がいたしますの」
「と、言いますと…」
「警察は不幸なブレーキ事故だと言います。
何せ重軽症を負ってにしろ、当時の監督以外は全員生存していますから。
ですが事故のファイリングは如何にも故意にされたようにしか思えません」
「……」
そうだ。故意に起こされた事故だ。
実行したのはあの人で、その後押しをしたのはあの男だ…。
「Aさん、お気をつけくださいね」
「……はい」
奥さんは私を案じ、手を握り忠告してくれた。
母の手の温かさを忘れかけている私に、新たな母の温かさを教えてくれた奥さん。
そんなことを思い出しながら、夏未に資料を九重邸から借りたことを説明した。
「よく九重家の人が許したわね」
「一応血縁だからね」
「そうだったわね…」
「まあ、借りてきても無駄かもしれないけど。
役立ちそうなものだけ抜粋して持ってきたんだ。
全部欲しければまた後日、奥さんに私から相談するよ」
「ええ、ありがとう」
そう。本当に多かったのだ。資料の中には、
陣形や円堂大介がよく使う戦術が組み込まれていた。
とても詳しく書かれており、手描きのものまであったため
おそらく奥さんの趣味が大爆発したものでもあるのだろう。
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活字不足卍(プロフ) - ご飯いっぱい食べて♡ (2022年6月9日 1時) (
レス) id: 63abfde266 (このIDを非表示/違反報告)
もち。(プロフ) - 最速で！最短で！まっすぐに！ 一直線に！…まさか、適合者…？？ (2019年7月8日 14時) (レス) id: 06ef4b6d18 (このIDを非表示/違反報告)
suraimu471(プロフ) - ブラフマーストラか、じゃあ次はブラフマシラーストラとかいう世界を七度焼き払う投擲だね！ (2019年7月8日 7時) (レス) id: 8c6c5cc2e1 (このIDを非表示/違反報告)
suraimu471(プロフ) - 現時点での夢主の強さはどの位かな？ (2019年6月19日 10時) (レス) id: 8c6c5cc2e1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：活字不足卍 | 作成日時：2019年6月14日 18時
