第115話・実家 ページ21
「これ、あげる」
「何これ…」
私は朝のうちに理事長室へ来た。
そこには案の定夏未がいた。
校長や理事長はいなかったが、まあいいだろう。
「40年前の雷門の記録。主にサッカー部の」
「え、どうしてこれを？！」
「……昨日、九重の実家に行ったの」
「！ 九重の、実家？」
昨日。練習が終わった後、稲妻町の隣の町に行った。
そこには巨大な平屋がある。その一角には神社まで入っている。
そこが九重邸、私の祖父の実家。
九重とは、宮中のことを指していて…その昔宮廷に仕えていた…らしい。
何故、らしい…なのかは、戦時中に蔵が焼けて昔の資料が焼失してしまったからだそうで、
正確にいつからいつまで仕えていたかなどは不明なんだそう。
関東で「九重」と名乗っているのは、大抵は九重家の一族らしい。
不動産経営や株式で多くの資産を保有しており、
財閥系統ではないが政財界にも顔が利き、
また学校の経営などでもその手腕を発揮しているのは、
前当主での采配によるものだとか。
現当主は、祖父の弟で今でも仲の良い兄弟らしく連絡を時たま取り合っているそうだ。
私が九重邸に着いてインターホンを押して当主の在宅を伺うと、
使用人らしき若い女性の声で「現在出張中にございます」と言われた。
━━━━そうか、出直そう。
「旦那様に何が御用が？」
「ええ、まあ…」
「失礼ですが、お名前をお伺いしてもよろしいでしょうか」
「……」
名前、か。偽名のほうがこっちとしては、いいんだが…けれど怪しまれるのも厄介だし。
おそらく使用人は学生が一人、親もつれず当主に会わせろと言っているから疑問に思ったのだろう。
しかも要件を言わない。使用人じゃなくても怪しむだろう。
「九重Aです」
私が名乗るとインターホン越しに「まあ…」と少しだけ驚いたような声が聞こえた。
当主とは面識はあっても、祖父とは面識はなさそうだけれど…
そんなことを考えていると、門が開きそこにいたのは
おそらくインターホンに出た女性。やはり若い女性だった。見た目的には20代だろうか。
「どうぞ、こちらへ」
「え、」
どうやら邸内に入れるようだ。
破門された祖父に対して、本家の人はいい印象を持っていないとばかり思っていた。
一応私も混血であることは変わりないし。
通された客間でお茶菓子を出され「しばらくお待ちください」と言われた。
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活字不足卍(プロフ) - ご飯いっぱい食べて♡ (2022年6月9日 1時) (
レス) id: 63abfde266 (このIDを非表示/違反報告)
もち。(プロフ) - 最速で！最短で！まっすぐに！ 一直線に！…まさか、適合者…？？ (2019年7月8日 14時) (レス) id: 06ef4b6d18 (このIDを非表示/違反報告)
suraimu471(プロフ) - ブラフマーストラか、じゃあ次はブラフマシラーストラとかいう世界を七度焼き払う投擲だね！ (2019年7月8日 7時) (レス) id: 8c6c5cc2e1 (このIDを非表示/違反報告)
suraimu471(プロフ) - 現時点での夢主の強さはどの位かな？ (2019年6月19日 10時) (レス) id: 8c6c5cc2e1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：活字不足卍 | 作成日時：2019年6月14日 18時
