第109話・帝国のスパイ ページ15
サッカー部のメンバーを連れバスの車庫にやって来た私たち。夏未が再び「ちょっと動かすだけでいい」と冬海に念を押す。だが冬海はバッテリーが上がっているのかな、と言うと夏未が声を張り「ふざけないでください！」と冬海を睨んだ。彼女に急かされエンジンをかけた冬海。
「さあバスを出して！！」
「……っ…」
ハンドルを握ったまま震える冬海。
「どうしたんです、冬海先生！」
「っ……できません！！」
「どうして？」
「どうしてもですッ！！」
冬海は顔をハンドルにつけて顔を俯かせる。夏未はスカートのポケットからとある手紙を出した。
「ここに手紙があります。これから起きようとしたであろう恐ろしい犯罪を告発する内容です。冬海先生、バスを動かさないのは貴方自身がバスに細工したからではありませんか？ この手紙にあるように」
「ッ……」
夏未に言われ苦虫を嚙み潰したような表情になる冬海。そんな彼の行動に信じられないと言った顔をする雷門イレブン。
「答えてください、冬海先生！」
「うふふっ…ふふっはっはははははっ！」
突然不敵に笑いだす冬海に不思議そうな顔をする夏未や雷門イレブンの面々。
「そうですよ、私がブレーキオイルを抜きました」
「何のために！」
「貴方がたをフットボールフロンティアの決勝戦に参加させないためです」
「何だって！」
「貴方がたが決勝戦に出ると困る人がいるんです。その人のために私はやった」
悪びれるつもりもなく笑みを浮かべながら言う冬海に「帝国の学園長か！」と豪炎寺が大きな声を上げた。冬海はビクッと肩を揺らし振り返る。
「帝国のためなら生徒がどうなってもいいと思っているのか！！」
「君たちは知らないんだ！ あの方が…どんなに恐ろしいかを…」
「ああ、知りたくもないっ！」
夏未は冬海に指を指し雷門中から解雇することを言い渡した。
「貴方のような教師は学校を去りなさい！ これは理事長の言葉と思ってもらって結構です！」
「クビですか、そりゃあいい。いい加減こんなところで教師やっているのも飽きてきたところです。…しかしこの雷門中に入り込んだ帝国のスパイが私だけと思わないことだ。――ねえ、土門くん」
「ッ！！」
冬海のその言葉を聞いて雷門イレブンの全員が後ろでひっそりと声を聞いていた土門を見た。それを言い残して冬海はとっととこの場を去っていった。
土門にはそれぞれ非難の声が浴びせられる。それを庇ったのは円堂だった。
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活字不足卍(プロフ) - ご飯いっぱい食べて♡ (2022年6月9日 1時) (
レス) id: 63abfde266 (このIDを非表示/違反報告)
もち。(プロフ) - 最速で！最短で！まっすぐに！ 一直線に！…まさか、適合者…？？ (2019年7月8日 14時) (レス) id: 06ef4b6d18 (このIDを非表示/違反報告)
suraimu471(プロフ) - ブラフマーストラか、じゃあ次はブラフマシラーストラとかいう世界を七度焼き払う投擲だね！ (2019年7月8日 7時) (レス) id: 8c6c5cc2e1 (このIDを非表示/違反報告)
suraimu471(プロフ) - 現時点での夢主の強さはどの位かな？ (2019年6月19日 10時) (レス) id: 8c6c5cc2e1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：活字不足卍 | 作成日時：2019年6月14日 18時
