第205話・味わう権利 ページ17
「惜しいとこまではいったんだがな…」
「てことは、このマシンを使えばもしかしたら…！」
これを聞いて円堂が黙っているわけもなく、響木にやってもいいかと聞く。響木はこのマシーンを使って完成させられる保証はない、とハッキリ言った。「はい！」と答えた円堂の目を見て、響木は許可を出した。
円堂がマシーンに乗り、響木がやり方を教える。右足と左足で交互にコンベアの上に描かれた丸を踏んでいくらしい。さらにマシーンを動かすには手動で左右にあるハンドルを回すようだ。
「行くぞ、円堂！」
「おうっ！ これが俺のひと手間だ！」
「ブッ」
Aは、円堂が早速たまたま言った言葉を引用したことに噴きだしながらも肩を震わせ笑った。
円堂が構えても一向にマシーンは動かず、よくみると錆びついて回らないようだ。40年前のものであり、定期的に整備することもなかったため。そこへ菅田が油を指しマシーンは動き出した。
「もっと低く！ ヘソに力を入れて！」
「はい！」
円堂は棒に足を取られ転んだ。
「もう一度だ！」
「はい！」
「コンベアの動きより早く。そして障害物を上手く避けて進まないと、向こうまで行きつかないぞ！」
「はい！」
そうしてしばらくマシーンを動かし続けたが、中々上手くいかず、ハンドルを回している豪炎寺たちの息が上がり出した。
休憩するかと円堂がマシーンの上から下りると他の部員たち、秋と春奈も自分たちも回すと名乗り出てくれた。
「みんなっ！」
みんなが気遣い、励ましていることに気付いた円堂―――
「何やってんだ、俺は！ こんな仲間がいたのにマジン・ザ・ハンドが出来ないからって、一人で焦って！ 俺は世界一の大バカ者だ！」
「ああ、やっと気づいた？」
「今良い所だろ！！」
「バカだなー」
Aは一歩みんなより前に出て笑顔で円堂に言う。
「そんなバカに付き合いたいから、みんなここにいるし、こうして一緒にやろうって言っているんだ。これが円堂にとってのマジン・ザ・ハンドへのひと手間なんでしょ？ だったら、私たちもそれを味わう権利あるでしょ。はある、ね？」」
「A…」
円堂は流れそうになった涙を拭いて、いつもの笑顔で「頼むぜ、みんな！ 俺、絶対完成させて見せるから！」と改めてみんなにお願いをした。
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活字不足卍(プロフ) - ワタシコトシ24サイ(嘘) (2022年6月9日 1時) (
レス) id: 63abfde266 (このIDを非表示/違反報告)
アリア - おー!!楽しみにしているぞい!!そして下ネタ突っ込んで来るな〜 (2019年7月25日 18時) (レス) id: baae3e32b1 (このIDを非表示/違反報告)
アリア - 作者さん、ボロくそ分かるぞそれ。確かに照美様は顔は美しいのに無印でゴッドノウズ撃つ時とても男らしいよな!!そして毎回私も叫んでいる!!←そしてそれについて姉さんや先輩と語りあっている← (2019年7月24日 8時) (レス) id: baae3e32b1 (このIDを非表示/違反報告)
歌音 - とても面白いです。続き楽しみにしています！ (2019年7月21日 15時) (レス) id: 60755d8909 (このIDを非表示/違反報告)
光華(プロフ) - はじめまして！毎日楽しく読ませてもらってます。私こういう小説大好きでしてこれからも更新頑張って下さい！(*´ω｀*) (2019年7月20日 9時) (レス) id: d3fece9e75 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：活字不足卍 | 作成日時：2019年7月19日 1時
