転生者は、苦悩する Lv.1【イナズマイレブン】 (ページ37)

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第033話・『これから』のことページ37

帝国戦から数日が経ち、それぞれ帝国戦で負った怪我も治り練習に復帰するようになった頃。部員全員が集まりミーティングをすることになった。

「帝国戦で俺たちの問題点が分かった。それで――」
「問題点も何もまず体力なさすぎ」

　円堂が問題点を上げる前にハッキリとものを言うマックス。彼の発言に体力に自信のないサッカー部メンバーがズーンッと凹んだ。風丸や円堂、染岡すらも。

「あ、ごめん！今の凹んだ？」
「帝国は全国レベルだし。おそらくそれ以上に体力があるから今回は相手の問題だったと思うけど…」
「そっか」

　部室に置いてあるタイヤに背を預けるマックスの発言に一応フォローを入れる。現実を突きつけるのも大事かもしれないが、根本的に相手との格差がありすぎる試合でもあったためそこはフォローを入れなければ。

「…円堂、話を続けてくれ」
「まあ体力作りはもちろんなんだけど、こんなフォーメーションを考えたんだ！」

　キュッキュッとホワイトボードに円堂が書いていく。
　DFが四人、守備のMFが三人と攻撃のMF二人、FWが染岡のワントップではなくダイアモンド型と呼ばれる、守備のMFが一人、サイドMFが二人、攻撃MFが一人の攻撃を重視したフォーメーションだ。
　ちなみに私の背番号は39番で39の数字は11番と一緒にFWの位置に書かれている。

「じいちゃんのメモがベースなんだけどさ！」
「えー！僕ベンチ？！そんなぁ」
「逃げた奴が何言ってんだか…」

　半田に反論され眼鏡を光らせ「戦略的撤退と言ってほしいね！」と言う。

「でも円堂、これ公式じゃ使えないよ」
「そうなんだよなあ…。でも練習試合ではAにも試合出てほしいし…」

　円堂なりの気遣いだろう。公式戦に出れないからこそ、練習試合に出てサッカーを楽しんでほしい。いらぬ気づかいだとは思うが、彼なりの優しさ……というよりは、一緒にプレイしたい欲が滲み出ている。

「気持ちは嬉しいけど、君たちはこれからのことを考えなきゃいけないんだよ」
「？これから？」

　部室に置いてある椅子に座り腕を組みながら言うと、彼らは"これから"のことを考えていないのか首を傾げる。

「これからのこと…つまりフットボールフロンティアだよ」
「！！」
「出たいんでしょ、フットボールフロンティア。なら私がいないこと。出れないことを想定して考えないと」
「んんんっ！そうだよな……」

　腕を組んで考える円堂。