転生者は、苦悩する Lv.1【イナズマイレブン】 (ページ4)

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第002話・梅雨の転校ページ4

父との交流はそれなりにある。あの人は会うことはないとは言っていたが、
あの人は意外にも律儀な人なのだ。誕生日にだってプレゼントを贈ってくれる。
それでも、顔を合わせてくれることはない。

私が身に付けている黒革のブレスレットは一昨年父が贈ってくれたものだ。
ネットで調べて値段を見た時、私が椅子から転がり落ちて
祖父母に心配されたのはよく覚えている。たまにあの人の金銭感覚を疑う。

━━━━━まあ、グラウンドに鉄骨落としたり、
潜水艦炎上させたりって無茶苦茶なことする人だから当たり前か。
コナン世界にいたら本当極悪非道人だったろうね、
コナンくんがイナズマイレブンの世界にいなくてよかったよ。
同じサッカーだけど、同じサッカーだけど(大事なことなので2回言いました)

桜も散り、梅雨を迎え雨の降る日に私は雷門中学校に転校した。

「九重 Aです。よろしく」

自己紹介をして教師に席を教えられる。
ここで大発見をした。私はどうやら風丸、染岡、マックス…
そしてなんと円堂と同じクラスだ。とてもラッキーだ。
これで放課後一人でサッカー部に突撃せずに済む。

これでも一応サッカーをやっている(イギリス仕込みだが)
小学時代の時は四年生から五年生に架けて1年だけ留学をしていた。
実は、祖母の結婚以前のファミリーネームが「アダムス」というのだが、
なんでも祖母の甥が、サッカーチームの監督をしているとかで、私はサッカー留学が叶ったのだ。

しかもだが、なんとそこのチームにはエドガー・バルチナスがいたのだ。
正直目ん玉飛び出そうになったね。
ショタのエドガー…………とっても良かったです。

「よろしくな、九重。俺は風丸。風丸一郎太」

奇跡的に風丸と隣の席になり彼から挨拶をしてくれる。━━━━ふぉぉ…嬉しい。
舞い上がる気持ちを押し込めて、クールに振る舞う。彼に差し出されて手を握り返して「よろしく」と挨拶。
チャイムが鳴り、次の授業までの間兎に角人に囲まれる。それが転校生の性なのだろうか。

「ねぇ前の中学どこなの？」
「彼氏いる？俺立候補しちゃおうかぁ！」
「趣味はなに？」
「部活とか決めてる？テニス部、入らない？」

テニス部なあ、魅力的だけど…残念ながらこの世界ではお呼びではないんだよ。

「私、サッカー部に入部しようと思ってて…」

少し遠慮がちに微笑みながら言うと教室が静寂に包まれた。