転生者は、苦悩する Lv.1【イナズマイレブン】 (ページ3)

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第001話・カーストページ3

学校とはどこのクラスも、学年も、カーストがある。おそらく私のそこでの立ち位置は下位だろう。なんせ物静かで授業成績や身体能力は高い割に、友達もいないし、グループにも入らない。また「遊ぼう」と誘われても断るばかり。基本的に愛想がない。
　その割に男子は私に対して異常な夢を見て、だからこそ女子は目の敵にする。
　綺麗だの、可愛いだの、美人だのは聞き飽きた。調子に乗るなだの、ムカつくだの言われ慣れた。

　どの次元もそうなのだろう。いじめと言うものは黙認され、相談したところで学校側は取り合ってはくれない。
　さすがにまだ手を上げられたり、教科書を引き裂かれたりしていない。まあ基本、無視を続けているのだから。そろそろ私が何も言わないことをいいことに調子に乗り始めるころだろう。

　まだこの中学に入学して二ヶ月しか経っていないが、人間の場慣れとは恐れ入る。
　そう、たった二ヶ月だが私はすでに転校しようかと考えている。ここは稲妻町の隣町。電車で通学すれば通えないことはない。

　この学校へは父が、ここへ通ってほしいと書類を渡してきたため通っているに過ぎない。実際この学校の進路はとても魅力的だ。
　――だが、それは表向きに過ぎない。裏では随分なことをしているようだ。入学して分かった。この学校は恐喝や暴力は日常茶飯事…男性教師が女子生徒相手に『そういうこと』も当たり前のようだ。

　父は表向きなことにしか目を向けないような人だったろうか…？もっと色々調べていると思っていたが…。
　学校側のことをどう思っているかは分からないが、兎に角父の下調べは意外と疎かであることが分かった。お茶目な人だ。

　その日のうちに祖父、竜臣に転校の相談…いや転校する意思を伝えた。相談ではない。相談する必要はない、と私は判断した。その判断を下した理由もちゃんとした説明をした。だが、さすがに『そういうこと』の話は証拠もないのに私が言っていいものか分からない。もし刑事事件にしたいのであれば被害者がどうにかしてくれと言った感じだ。

　そんなわけで私は、さっさと手続きを終えて来週、雷門中へ転校することになった。

　逃げるみたいだから嫌な気もあるが、祖父や祖母はとても優しい人だ。だから、迷惑も心配もかけたくない。