転生者は、苦悩する Lv.1【イナズマイレブン】 (ページ22)

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第020話・試合当日ページ22

一週間はあっという間だった。包帯は取れたものの心配性の祖母の所為で、シップとテーピングはまだしばらく外れそうにない。
　そういえば事故に遭ったときタイツが破けてしまったのだが…いやあ破けたタイツってなんて背徳的なんだろうね、ぐへへっ(血塗れだったけど)

　今日は試合当日。みんな気合は充分だ。

「みんな紹介するよ！今日の試合助っ人に入ってくれる松野空介だ！」
「僕のことはマックスって呼んでくれていいよ」

　どこから取り出したか分からないが、円堂が助っ人を呼び掛けていた時使っていた看板を持ち出し、円堂を見ていたら退屈しなさそう。と言う理由で助っ人してくれるようだ。――まあ分からなくはないが。

「退屈って遊びじゃないんだぜ、試合は」
「心配いらないよ。サッカーはまだやったことはないけどこう見えて器用なんだよね」
「ということだ！期待しようぜ！」

　円堂もそうだが、本来そんな理由で助っ人をする奴はそういないはずなのだが…

「しかしこれでもまだ九人だぞ」
「…十人だけど…」

　半田の背後にいた影野が不気味なオーラを出しながら、低い低い声で言葉を発し半田が一瞬顔を青くした。

「ごめん、気付かないで…」
「影野も入部したんだっけな！」
「いいのさぁ…俺はもっと存在感を出せる男になりたっくって来たんだからね…フッフフフフ」

　不気味な影野の笑いに他サッカー部メンバーも困り顔の様子だ。

「そろそろ時間だね…。グラウンドに出よう」
「そうだな！」

「A…お前足は…」
「大丈夫だよ。もう完治してるから」

　心配性なのか風丸がこの一週間ずっと私の怪我を気にしている。
　豪炎寺のお父さん曰く、一週間はじっとしてサッカーをやることはなかった。だから今日はこうしてユニフォームを着て肩にジャージを羽織って試合に出る気満々なのだが、染岡や半田からもベンチスタートを言われてしまい円堂も本当は出てほしそうだったのだが、押し切られてしまい…結局私はベンチスタートで、助っ人を四人も捜す羽目になったのだ。

「なんだが雲行き怪しいな…」
「今日一日晴れの予報なのに」

　晴天だった空に段々と雲が影を差し始める。するとグラウンドに置かれたゴールが揺れ出し、地鳴りが段々と大きくなっていく。
　理事長室では、雷門夏未と校長が上から様子を見ていた。
　現れた巨大な装甲車はに、試合を見に来ていた雷門の生徒全員が息を呑んだ。