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st黒


「とりあえず上の階に行こう。他のみんなにも現状を伝えないと。」


深澤くんの提案で他のメンバーを探すことに。ひとまず階段を上がり二階を散策。


「へぇ…図書室にパソコン室。美術室かぁ…。」

「なんか、美術室が変に不気味やなぁ。」


時間的にも暗い教室が恐怖を増す。
背筋が凍るとはこのことの様だ。


「っ…。」

「北斗?平気?」

「樹…なんか、気持ち悪い…。」


不気味な雰囲気に呑まれているのか、吐き気がしてきた。そんな俺に気付いた樹が声をかけてくれ、死角の多い図書室に入った。

奥に進み本棚の影に隠れ一時休息を取ることに。


「ふぅっ…ごめんね。」

「大丈夫。無理もねぇよ。」

「でもこれからどうするん?このまま此処におっても、いつか見つかるで。」

「他の皆がこの事態に気付いてるかも分かんないからなぁ。」


そんな会話を聞いている間も胸のモヤモヤはなくならず、悪寒は増してく一方。


「俺見張っとくから、皆休んでて。」


そう言った深澤くんは入口の方に意識を向けていた。彼の背中が逞しく頼もしい。


「照にいも大丈夫なん?怖いの苦手やん。」

「あぁ…まあ、怖いけど…。」

「無理せんでね。」


そうだ。怖いのは俺だけじゃない。
俺ばっかり守ってもらう訳にはいかないんだ。

そう思っていても体は付いてこない現実に嫌気がさす。

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作者名:あんこ | 作成日時:2022年8月7日 19時

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