打ち合わせ ページ25
st黒
ロケ予定日の1週間前。
ロケについての事前打ち合わせの日。
樹とジェシーはレギュラー番組の収録が長引いている様で急遽不参加で後々マネージャーが伝えるとの事。
他の4人でスタッフさんから当日の詳しい予定を聞くことになった。
「北斗最近どう?」
スッと隣にきた慎太郎は心配そうに俺の顔を覗き込んできた。
「うん。大丈夫だよ。変な視線を感じるけど、多分思い込んでるせいだし、最初の頃よりは俺自身も落ち着いてきた。」
「…そっか。なら良かった。」
半分本当で半分嘘。ごめんね、慎太郎。と心の中で謝る。未だに嫌な視線は感じるし毎回毎回心臓がバクバクしている。
まるで俺たちみたい。
半分人間で、半分動物。
そんな俺の嘘を見抜いている様子の慎太郎は何も言わずにただ受け止めてくれた。ほんと、優しい奴だ。
コンコンとドアのノック音がして、あの時を思い出して体がビクンと跳ね上がる。
「失礼致します。ロケの打ち合わせを始めてもよろしいでしょうか?」
「はい、お願いします!」
高地の声に反応してスタッフが2名入ってきた。「大丈夫」と小さな声で慎太郎が言ってくれて気持ちを落ち着かせるために深呼吸をする。
スタッフさんが俺たち4人と向かい合わせに座り打ち合わせが始まった。
「まず今回はYouTubeでのコラボ撮影ということで、SixTONESさんとSnowManさん達には夜間の学校で肝試しをしていただきたいと思います。」
このタイミングで夜の撮影か…なんて、またしてもマイナスな考えが頭をよぎる。
「当日の15時にテレビ局に来て頂ければロケバスが待機してあります。もし他のお仕事がある様でしたら後から現地で合流という事にもなりますが。」
「ロケバスはSnowManとも一緒ですか?」
「バスは2台ご用意するので、ご一緒に乗られても構いませんよ。」
優しく俺たちを思いやる様な返事だが、俺にとっては窮屈に思えた。一緒に乗って、何かあって迷惑かけたら…。
変に力んで握っているズボンにどんどんシワが入る。
ふと、俺の手を覆う様に手が重なった。
チラリと見れば隣の慎太郎の手で。トントンと優しく、子どもを寝かしつけるか様に叩いてくれた。
彼なりの“落ち着いて”という表現に少しずつ肩の力も抜けてくる。
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作者名:あんこ | 作成日時:2022年8月7日 19時