Not Alone… (ページ10)

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話し終えた北斗はまた肩を震わせながら嗚咽を漏らしていた。体調が悪い時にそんな怖いことされたら誰だって恐怖を覚える。

よりによって、俺たちの中でも弟気質で怖がりな北斗がターゲットにされたなんて。

「話してくれてありがとう。俺たちが付いてるからもう心配すんな。」

そう声をかければ「こーち…ありがと。」と不恰好な顔で言ってきた。

これからどうしようか、と俺と樹と大我で話し合う。ジェシーと慎太郎は北斗に付き添い背中をさすったり手を握ったりしている。

「今日は仕事無理だと思う。あんなに泣いてたらメイクでどうこうっていう問題じゃないよね。」

「それに北斗を追い詰めた奴が何処にいるかも分かんねぇしな。」

「スタッフの中にいるかもしれないもんね。」

「でも1人で家に帰すのも怖いよな。」

北斗に視線を向ければ少しだが笑顔が戻っているようだ。でもこのまま家に帰して道中何かあるのも怖い。

「全員の撮影は今度北斗が撮る時にしてもらおう。ペア撮りと個人撮りの間は誰かしら楽屋にいるようにすれば、北斗も1人にならないで済むし。」

「そうだね。スタッフさんに伝えてくるよ。」

先程と同じように大我が今決めた事をスタッフに告げに向かった。ソファーに目を向けるとジェシーの膝に頭を乗せて寝息を立てている北斗。

良かった、寝られたなら。