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「…あ」
「やぁ、お疲れ様」
会いたいと希望を伝えると提示された待ち合わせ場所は、初めて踏み込む場所。職員室から真っ直ぐに延びた廊下沿いに並ぶ一室は、他の教室とは違った特別な雰囲気を醸し出していた。
"生徒会室"と掲げられた札を確認してから開放された入り口を覗き込むと、Aの動きを予測していたように、椅子に深く腰かけた野坂の視線が即座に彼女を捕らえる。
「お、お疲れ様です」
「緊張すること無いよ。この時間には誰も来ないからね」
扉を閉めるよう指で示され、指示のままそっと扉を閉めてから部屋を見渡す。
ファイルやら本やら、資料のようなものが整頓されたラックが壁際に並び、学校というより会社のような堅さを感じる雰囲気。
キャスター付きの座り心地の良さそうな椅子が委員の数だけあるようだ。部屋の中央に置かれた大きな机を囲んだ内の一つに、野坂は悠々と腰かけている。
「それで、どうしたの？」
Aを隣の席へ促すと彼はそう問いかけた。頬に手を当て彼女の表情を伺う視線は、ゆっくりと心臓が縮こまらせる。
「えっと…」
やはり彼は落ち着いた視線で、冷静に彼女に向かって見せる。Aは無意識に頬に手を当てて何とか体温を下げようとしていた。
「最近、ゆっくりお話しできていないから…」
「…うん、確かにそうだね。定期考査前で忙しくなってきたし、最近は屋内練習が多いから」
順番で言うなら次はAが何か言わなければいけなかったが、具体的に何を話そうという考えは無かったので会話が途切れてしまう。
野坂は変わらず急かそうともしないで、見守るような様子で彼女の視線が泳ぐのを追っていた。
「…あの」
「うん？」
「すみません、何だか緊張してしまって…」
「いいよ。僕は久しぶりにAさんと過ごせるだけで嬉しいから」
「…後夜祭の日以来、ですよね…？」
「そうだね」
自ら口にしておいてAは野坂との距離が失くなったあの瞬間を思い返して、思いもよらず照れてしまう。
その様子を見てか、野坂は小さく笑うと彼女の代わりに沈黙を埋めた。
「本当はね…暫く話せなかったのは、定期考査のせいでも偶然でもないんだよ」
「え…？」
「距離が離れたんじゃなくて、僕が離したんだ」
情けないよね、と笑う野坂の言葉の意図が掴めずAがぽかんとしていると、彼は椅子に凭れて大きく息を吐いた。
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橋本アリィちゃん(プロフ) - とても面白かったです！続きを待ってます！(*´ω｀*) (2021年11月3日 4時) (
レス) @page43 id: 1849d0f1e6 (このIDを非表示/違反報告)
輝(プロフ) - かなりさん» お返事送れてすみません。いつもコメントありがとうございます！(* ´ ▽ ` *)今後も楽しんでいただけると幸いです。 (2020年7月7日 0時) (レス) id: c19a41cb32 (このIDを非表示/違反報告)
かなり - 更新おつかれさまです！もうドキドキして、ついにしたな〜と思いで嬉しい気持ちでいっぱいです！！これからの、展開がどうなってくるか、楽しみです！！これからも体に気をつけて頑張って下さい！ずっと応援しています！！ (2020年6月21日 13時) (レス) id: 49621f134d (このIDを非表示/違反報告)
輝(プロフ) - かなりさん» コメント毎回ありがとうございます！元気に過ごしてますよー、かなりさんも体調に気を付けて！応援に答えられるよう、頑張ります(*^-^) (2020年6月20日 11時) (レス) id: c19a41cb32 (このIDを非表示/違反報告)
かなり - 更新おつかれさまです！最近体調はいかがですか？私は、この小説がずっと大好きで、心が救われる小説です！！このご時世大変な時なので、あまり無理しないで下さい！これも体に気をつけて頑張って下さい！ずっと応援しています！！ (2020年6月18日 15時) (レス) id: f70c6ae0d8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：輝 | 作成日時：2020年5月2日 12時
