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「いてて…」
部室の器具庫を整理しているAの口からつい漏れる、普段あまり使うことのない形容詞。
屈むと足に広がる鈍い痛み。腕を伸ばすと同じように鈍く走る痛み。原因はもしかしなくとも、西蔭直伝のトレーニングだった。
前もって彼からは伝えられていたが、筋肉痛はかなり長引いた。教えられたその日に実践し、今日はそれから既に三日経っている。
痛みがある時は行わないよう言われているのでまだ一度しかできていないにも関わらず、この様である。それだけ今まで筋肉を使っていなかったのだと思い知らされもした。
Aの真の目的は、誰の手助けも無く一人で人並みに日々を過ごせるようになること。部活の力仕事も自分で、最初から最後まで汗を流して働きたい。
勿論、野坂の手も煩わせないようになる。それが一番の目標だった。
もし野坂に自分の目標を話したとすれば、彼はきっと心配をして優しい言葉をかけてくれる。そしてAは、彼女自身がそれに甘えてしまうことを分かっていた。
その未来を避けるため敢えて西蔭には伝えなかった。野坂にも、この話題について直接的にAからは話していない。西蔭を経由し何らかの情報が伝わっていることは確かだが。
「…ん、んーっ…」
週末の練習で、Aは一人器具庫の整理を任されていた。整理と言っても決して大掛かりなものではなく大抵の人なら一人でこなせる。
Aはその大抵の人になるべく、監督の頼みを受けたのだった。
荷物が並んだ棚の二段目には、何が入っているか分からない箱が多くあった。痛みを堪え棚の上に置かれた何らかの箱に手を伸ばす。が、そこには身長という今すぐにはどうともならない壁があった。
一息吐いて、辺りを見回す。丁度目についた足台になりそうな物に乗って、今度こそ箱に手は届いた。
慎重に少しずつ箱を引いて棚から下ろそうと試みるが、動きに煽られ長い間溜まっていたのであろう砂埃が降ってくる。
反射的に瞼を閉じたと同時に、Aはふらりとバランスを崩して台から足を踏み外した。連鎖して、お目当ての箱も自身の重みで床へと落ちていく。
その箱が段ボール製だったお陰で、あまり派手な音は鳴らなかった。代わりにAが別の器具にぶつかって酷い物音を立てる。
その瞬間はもはや筋肉痛など感じもしなかった。幸い腕はジャージの袖によって傷は免れたものの、無防備だった脚には鋭い痛みが走って声が出なかった。
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橋本アリィちゃん(プロフ) - とても面白かったです！続きを待ってます！(*´ω｀*) (2021年11月3日 4時) (
レス) @page43 id: 1849d0f1e6 (このIDを非表示/違反報告)
輝(プロフ) - かなりさん» お返事送れてすみません。いつもコメントありがとうございます！(* ´ ▽ ` *)今後も楽しんでいただけると幸いです。 (2020年7月7日 0時) (レス) id: c19a41cb32 (このIDを非表示/違反報告)
かなり - 更新おつかれさまです！もうドキドキして、ついにしたな〜と思いで嬉しい気持ちでいっぱいです！！これからの、展開がどうなってくるか、楽しみです！！これからも体に気をつけて頑張って下さい！ずっと応援しています！！ (2020年6月21日 13時) (レス) id: 49621f134d (このIDを非表示/違反報告)
輝(プロフ) - かなりさん» コメント毎回ありがとうございます！元気に過ごしてますよー、かなりさんも体調に気を付けて！応援に答えられるよう、頑張ります(*^-^) (2020年6月20日 11時) (レス) id: c19a41cb32 (このIDを非表示/違反報告)
かなり - 更新おつかれさまです！最近体調はいかがですか？私は、この小説がずっと大好きで、心が救われる小説です！！このご時世大変な時なので、あまり無理しないで下さい！これも体に気をつけて頑張って下さい！ずっと応援しています！！ (2020年6月18日 15時) (レス) id: f70c6ae0d8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：輝 | 作成日時：2020年5月2日 12時
